2024年10月29日火曜日

第3655話 山崎豊子と山本薩夫 (その1)

この土曜日は神保町へ映画を観にー。
最初にシアターへ赴き、チケットを入手。
急がないと整理番号がうしろになるため、
上席を逃すことになるのでネ。

シアターの脇におびただしい数の人々が
3列の長蛇を成していた。
松田優作じゃないが、何じゃこりゃあ!
メインストリートのすずらん通りもスゴい。
行列が何本もあちこちに伸びている。
何百人、いや、千人超えかもしれない。

整理のオジさんに訊ねたらこの光景は
神保町ブックフェスティバルとやらで
サイン本や半額本の大セールだった。
第32回を数え、開催日はこの土・日。

神保町でこんなに大勢の人を見るのは
初めてのことだ。
本が売れなくなって久しいが
この調子なら、まだ大丈夫だ思う。
ほうら、裕次郎も歌い出す。

♪ こわい東京で 
  どんな仕事してるのか
  気にはなったが
  大丈夫かと 訊いただけだ
  それで帰した
  おさな顔もいとしく
  ぬれた眸(め)のそこに
  嘘はない筈だ

  いのちある限り
  通うこころ変わらぬと
  誓い交わした
  大丈夫だと 俺は思う
  それでいいのだ
  遠く消えたあの子の
  白い手袋が
  胸にまた匂う   ♪

  (歌詞:萩原四朗)

「白い手袋」は1958年2月のリリース。
のちに裕次郎の刎頸(ふんけい)の友となる、
長嶋茂雄がジャイアンツにデビューする、
ふた月前のことである。

それはそれとしてただ今、
神保町シアターで開催中の
「小説家・山崎豊子 華麗なる映画たち」。
全5本中、3本を立て続けに観るのだが
この日は「華麗なる一族」(1974 芸苑社)。

阪神銀行頭取に扮する佐分利信がしたい放題。
男優陣はほかに、仲代達矢・田宮二郎・
北大路欣也・目黒祐樹・二谷英明。
女優陣も、京マチ子・月丘夢路・
香川京子・酒井和歌子・大空真弓・
山本陽子・中山麻里と、
今ではは考えられないほどの
豪華なオールスター・キャストである。

=つづく=