2024年10月14日月曜日

第3644話 板橋に 暖簾掲げて 96年

都営三田線・本蓮沼と板橋本町の中間辺り。
中山道の1本東を走る道筋からちょっと
折れたところにあけぼの商店会なる、
短い商店街を見つけた。

そこに立派な店構えの日本そば屋あり。
さびれた商店街にあって
「田中屋」だけがヤケに目立つ。
店頭の貼り紙の花芽わさびせいろに惹かれた。
この店のそばはかなりのものに相違ない。

われわれクラスともなると
店を見ただけで味まで判るのだ。
ん? われわれクラスって何だ! ってか?
あいや失礼! 上から目線でごめんなさい。
まっ、言葉のアヤにござんす。
機嫌を直され、先をお読み下され。

帰宅後、調べたら店は昭和3年創業。
実に96年の歴史を刻んでいる。
別日(べつび)に訪れた。
狙いはくだんの花芽わさびせいろだ。

花芽わさびせいろ とり天付き(1200円)
卓上の写真を見たら
花わさびの醤油漬けが小皿にー。
てっきり冷たいつゆに花わさびが
散っているものと思ったから拍子抜け。
期待を外されてスルーした。
品書きを手に取り、仕切り直しだ。

ふ~む、もりとざるはつゆが違うんだネ。
ざるつゆはより濃くなるようだ。
そばに海苔は嫌いだからざるは次回、
海苔抜きで試してみよう。
いつになるのか判らんけどネ。

ドライ中瓶とミニかつ丼セットを通し、
お手元の箸袋に目をやった。

きそば 天どん 親子丼
清水町曙通り 田中屋

”どん” の字の違いの意味が
不明ながら、とにかくそうあった。

そばはコシの強い細打ちで上々。
つゆも池之端の行きつけほど
甘さがなくとも似たタイプで好印象。
うん、このレベルなら再訪も
そう遠いことではなかろう。

食後の散歩。
中山道を横断した。
清水稲荷神社は清水町ではなく、
通りの反対側の宮本町にあった。
一礼して手を合わせました。

「そば処 田中屋」
 東京都板橋区清水町50-15
 03-3961-0261