上野のお山のふもとにして不忍池のほとり。
台東区・池之端の行きつけそば屋で
昼飲みランチのあと、御徒町に移動した。
晩酌用つまみの調達である。
「吉池」は当欄でもたびたび紹介済み。
この日も鮮魚売り場へまっしぐらだ。
尾頭を落とされ、ワタを抜かれた、
佐賀県産小肌の絣模様が折り重なっていた。
光り物に目の無いJ.C. 、
看過することなどできやしない。
1枚100円弱の値付けもありがたく、
8枚ゲットしたが今夜には間に合わない。
酢で〆なきゃならないんでネ。
次に目にしたのは生海老各種。
北海道の北海縞海老、北陸の甘海老、
そして度肝を抜かれたのがバナメイ海老だ。
太平洋の東側が原産地で
メキシコからペルーにかけ、
大量に水揚げされる。
比較的ポピュラーな海老につき、
度肝なんて大げさな表現ながら
驚いたのはその産地。
なんとサウジアラビアと来たもんだ。
今夜は生まれて初めて
サウジの食べものを口にすることになる。
あとは本まぐろの刺身。
肉割れが入って見るからに
美味しそうな赤身はカナダ産。
サウジだカナダだと海の幸は世界を賭けめぐる。
ほうら、裕次郎も歌い出した。
♪ セーヌの流れ モンマルトルも
いつか二人で 来る日の誓い
せめてオスロの 火祭りに
踊り明かして 君に書く
便り切ない 旅の宿
世界を賭ける 恋なぜ哀し
泣いて待ってた 羽田の海よ
愛のカレンダー 消しかねて
君は遥かな 空の涯(はて)
呼べどこたえぬ 星あかり ♪
(作詞:大高ひさお)
「世界を賭ける恋」は
同名映画の主題歌で1959年の発売。
その2番と3番だ。
映画の原作は武者小路実篤の「愛と死」。
それはそれとして素敵な晩酌となりました。
「吉池」
東京都台東区上野3-27-12
03-3836-0445