2024年10月8日火曜日

第3640話 「点と線」で飲み放題 (その1)

20年以上も前のこと。
丸ビルが建て替えられた際に
館内のレストラン全50軒を掲載した、
「J.C.オカザワの丸ビルを食べる」を
上梓したはいいけれど、
それから滅多に訪れなくなった。
産みっ放しで育児を放棄する、
ダメな母親さながらである。

丸ビルのすぐ隣りに
やはり再建された新丸ビルは
さらに無沙汰が重なって
まだ二度ほどしか足を踏み入れていない。

ところが此処に佳い店を見つけた。
「ポワンエリーニュ」は
ポワン・エ・リーニュ。
仏語で「点と線」を意味する。
実はこの店名にピンと来たのだ。

新丸ビルのテナントだから
それなりの企業の経営だと思われる。
間違いなくゴッドファーザー(名付け親)は
松本清張の「点と線」になぞらえているハズ。
前話で述べたように「点と線」の舞台は
新丸ビルの正面、東京駅だからネ。

見たところ店舗は普通のブーランジェリー。
奥にイート・イン・スペースが潜んで
そこそこの席数がある。
入店したのは13時過ぎで14時までは
ランチメニューのみの提供とのこと。

飲み放題+一品料理のつもりだったが
飲めりゃ不満はございやせん。
そう、当店の魅力はこの飲み放題。
メニューに記載されたビヴァレージは
2500円で何杯でも飲めちゃうのだ。

択んだランチはアッシ・パルマンティエ。
牛肉のラグーとマッシュポテトの
チーズグラタンで、わりと好きな料理だ。

パン屋だけに5種のパンが供された。
バター代わりのディップ類がまたスゴい。
少しづつだが6種類も出て来たヨ。
ものはついで、紹介しましょう。

スペイン産オリーブオイル&ゲランド塩。
カナダ産メープルシロップ。
マスカルポーネ&ドライフルーツ。
こだわり玉子のタルタル。
モデナ産バルサミコ酢。
鎌倉ロミユニさんのキーウィージャム。

普段はあまり使わないんだが
せっかくだからキレイに平らげた。

=つづく=