20年以上も前のこと。
丸ビルが建て替えられた際に
館内のレストラン全50軒を掲載した、
「J.C.オカザワの丸ビルを食べる」を
上梓したはいいけれど、
それから滅多に訪れなくなった。
産みっ放しで育児を放棄する、
ダメな母親さながらである。
丸ビルのすぐ隣りに
やはり再建された新丸ビルは
さらに無沙汰が重なって
まだ二度ほどしか足を踏み入れていない。
ところが此処に佳い店を見つけた。
「ポワンエリーニュ」は
ポワン・エ・リーニュ。
仏語で「点と線」を意味する。
実はこの店名にピンと来たのだ。
新丸ビルのテナントだから
それなりの企業の経営だと思われる。
間違いなくゴッドファーザー(名付け親)は
松本清張の「点と線」になぞらえているハズ。
前話で述べたように「点と線」の舞台は
新丸ビルの正面、東京駅だからネ。
見たところ店舗は普通のブーランジェリー。
奥にイート・イン・スペースが潜んで
そこそこの席数がある。
入店したのは13時過ぎで14時までは
ランチメニューのみの提供とのこと。
飲み放題+一品料理のつもりだったが
飲めりゃ不満はございやせん。
そう、当店の魅力はこの飲み放題。
メニューに記載されたビヴァレージは
2500円で何杯でも飲めちゃうのだ。
択んだランチはアッシ・パルマンティエ。
牛肉のラグーとマッシュポテトの
チーズグラタンで、わりと好きな料理だ。
パン屋だけに5種のパンが供された。
バター代わりのディップ類がまたスゴい。
少しづつだが6種類も出て来たヨ。
ものはついで、紹介しましょう。
スペイン産オリーブオイル&ゲランド塩。
カナダ産メープルシロップ。
マスカルポーネ&ドライフルーツ。
こだわり玉子のタルタル。
モデナ産バルサミコ酢。
鎌倉ロミユニさんのキーウィージャム。
普段はあまり使わないんだが
せっかくだからキレイに平らげた。
=つづく=