今日は都立板橋高校の同級生4人で
飲み会を催す予定。
今にも死にそうなヤツ(本人曰く)が
いるため、彼の利便を図ってやった。
T橋の住まいは練馬区を西に抜けた東伏見。
そこは西東京市である。
よって西武新宿線で1本の高田馬場に集う。
早稲田行きのバスに揺られていたら
まとめ役のN田よりメール着信。
死にそうなT橋が体調悪化で来られないとサ。
言い出しっぺが仕方ないなァ。
高田馬場駅前、稲門ビルの地下へ潜る。
都内に何店舗か展開する「石庫門」に
N田とO切は到着しており、
さっそく黒ラベルの中ジョッキをガツン。
料理は予約の際に頼んであった、
北京ダックが速攻で着卓した。
皮目に身肉が薄く付いている。
白髪ねぎ&千切りきゅうりと一緒に
他店より薄い薄餅で巻き、
甜面醤ベースのソースを付けて頬張る。
たまに食べると旨いもんだネ。
オッサン3人が北京ダックに
かぶりつく姿を見たら
ドナルドダックも真っ青だろうぜ。
ダックの肉とねぎとの麻辣和えが
追いかけて来た。
前菜のくらげが厚切りというか、
ずいぶん平べったい。
鰹の中華風たたきは
焦がしニンニクが効果的。
軽い食感の焼き餃子はキャベツが主役だ。
モンゴルの国民的料理、
羊肉串はピリ辛のスパイスが主張する。
8年物の紹興酒、過門香に切り替え、
3人で分けたが1人200ccくらい。
会計は5500円イーチで
居酒屋慣れしているオッサンには
目先が変わって好評だった。
2軒目は早稲田松竹の手前の「一膳」。
ドライに戻し、つまみはまぐろ山かけ。
そこまではよかったんだが
菊正の常温にスイッチしたのがよくなかった。
1人3合は飲んだかな?
どうやって家にたどり着いたのか
よく覚えておりません。
やれやれ。
「石庫門 高田馬場店」
東京都新宿区高田馬場2-18-11
稲門ビルディングB1
03-5292-1991
「一膳」
東京都新宿区高田馬場1-17-18
03-3200-9881
氷見での体験を思い出したがゆえに
寒ブリ漬け丼セットを決断。
江戸そばなる小さ目のせいろが付いて
白っぽい細打ちせいろなら1200円。
黒っぽい太打ち田舎だと1500円。
ここは白を選択した。
サッポロ赤星中瓶を通すと揚げそばの小皿。
まず配膳されたのは
そばつゆ・薬味(ねぎ・おろし・わさび)・
緑のキューちゃん風。
そばより先に漬け丼が来た。
5切れのブリに桂むきの大根&貝割れ、
わさびがチョコンと乗っている。
ごはんは池波正太郎翁が好んだ温(ぬく)めし。
真鯛の刺身に温めしは翁の大好物だ。
いや、その旨さは予想を上回った。
氷見ではないかもしれないが富山は富山。
ブリと薬は越中・富山に限りますな。
コシの強いそばともども満足した次第なり。
この件は越中・氷見に嫁いでいった、
NYの元クラブママ・A子に報告せにゃならん。
どこかに落ち着いたら
メールを打つことにしよう。
せっかく天王洲アイルなんて
めったに来ない場所に来たんだ。
モノレールとりんかい線の駅に行ってみた。
どちらかに乗り込んでもよかったが
もうちょい界隈をぶらぶらしてみたい。
新東海橋で天王洲運河を西へ渡ると
海岸通りが山手通りに名を変える。
旧東海道を過ぎ、京急本線の新馬場駅。
都心に戻ろうとも思ったけれど、
そこからゼームス坂を上ってJR大井町駅。
今度は仙台坂を下って京急青物横丁駅。
結局は薬局、青物横丁から乗った電車を
泉岳寺と蔵前で二度乗り換えて
いつもの上野御徒町「味の笛」へ。
紙コップのドライを飲りつつ、
スマフォを手にした。
ギョギョギョ、サカナくんじゃないけど
びっくりしたのでギョざいます。
何と、何と、ついでにもう一つ何と、
A子からメールが届いてやがんの。
本人自ら「遅ッ!」というほどに遅い、
新年のあいさつと
シャンパン・パーティーのスナップ写真。
こういうのを以心伝心と云うんだろうが
年に1~2回しかやりとりしない相手だヨ。
単なる偶然とは思えぬ自分がビールから
越乃寒梅に切り替えておりました。
「常喜房」
東京都品川区東品川」2-2-4
天王洲ファーストタワー1F
03-5783-0066
「味の笛 本店」
東京都台東区上野5-27-5
03-3837-5828
四十七士ゆかりの泉岳寺で乗り換えた、
京急羽田行きを北品川で降り、
東へ歩いてほどなく、
高浜運河に架かる楽水橋が見えてきた。
橋の西詰に「楽水軒」なる町中華があり、
二十数年前に一度訪れたが今は跡形もない。
橋を渡って今度は南下。
港南公園の先を左へ回り込むと
高浜運河遊歩道になるが目の前の運河は
すでに天王洲運河と名称を変えている。
看板に偽りがあるんじゃないの?
「責任者出て来い!」ー怒鳴るところなれど
誰も見当たらず、仕方ないので
目の前のふれあい橋を南に渡る。
向こう岸右手に
「T.Y.HARBOR BREWERY」。
この建物こそが天王洲のトレードマークだ。
運河沿いを左に進むと
すぐにファーストタワーが現れる。
今日のランチはこの1階の「常喜房」。
日本そば屋である。
おや、おや、隣りに「味喜庵」があるゾ。
「本陣房」系列の蕎麦居酒屋「味喜庵」は
神田や御徒町にも展開している。
それにしてもそば屋を2軒、
雁首揃えずともいいんでないかい?
接客のオニイさんに訊いたら
この「常喜房」も「本陣房」系列だった。
経営陣は一体何を考えてんだかなァ。
まっ、いいけどサ。
かねて狙いを定めてあった、
変わりそばのゆず切りを注文すると
くだんのニイさん、眉を曇らせた。
「すみません、ゆず切りは
土曜の夜のみなんです」
無い袖は振れず、あらためて品書きに見入る。
思い出すなァ、新橋の「本陣房」では
ゆず切りを幾度となく食べた。
本当はしそ切りが好きだったが
いつの頃からか、しそを打たなくなり
ゆず一本になったのだった。
オススメに富山沖の寒ブリ漬け丼がある。
ブリの照焼きは好きだけれど
刺身はあまり得意としない。
ときとしてイヤな脂っこさがあるからネ。
ところがここで思い出したのは
20年前の富山県・氷見。
魚市場で食べたブリ刺しは極の上。
サラリとした旨みに思わずうなった。
=つづく=
旧友・K美と十数年ぶりで飲むことになった。
J.C.が大学に入った年、1970年のことだが
東京駅構内にある東京ステーションホテルの
コーヒーショップでバイトをしていた。
彼女はそのときの同僚である。
コーヒーショップといっても
和食・洋食・中華・喫茶と何でもござれ。
2階から1階ホールを見渡せ、
レトロにして素敵な空間だった。
あんな店舗はもう二度と生まれないだろう。
14時に御徒町駅前の吉池本店ビル9階、
「吉池食堂」で落ち合う。
ピークをわざわざずらしたのに
満席で整理番号を取らされる羽目にー。
当店はジジババ中心に超人気なのだ。
幸い5分で眺めのよい卓に案内された。
注文システムは大嫌いなタッチパネル。
案内嬢がまだ脇に立っていたので
利用しない手はない。
ドライ中瓶をお願いし、注ぎ合って乾杯。
久しぶりに会う相手とは何はともあれ、
思い出話に花咲か爺さん。
あらためてK美に歳を訊ねたら
J.C.より1年遅れだが
早生まれで同学年と判明した。
つまみは本まぐろ山かけを取ってやり、
あとはメニューとにらめっこ。
「吉池」は道東の別海町に
加工工場を持っている。
そこで生産された桜ますの開きに
白羽の矢を立てた。
これが2100円でかなりのサイズだ。
二人して頑張ったものの、
とうとう食べ切れなかった。
おかげで他の料理に手も口も回らなかった。
まっ、よしとしよう。
相方が富乃宝山のお湯割りに
切り替えるってんで同じ宝山なら
お湯割り向きの吉兆宝山を勧める。
富乃はロック、吉兆は湯割りがいいんだ。
当方はずっとビールを飲み続け、
レシートを見たら5本も付いていた。
我ながら飽きずによく飲むヨ、ジッサイ。
滞空2時間半で追い立てられ、
向かいの直営店「味の笛」へ移動。
こちら麒麟山の冷たいの。
あちら八海山の梅酒お湯割り。
つまみはナシ。
18時前にはお開きと相成りました。
「吉池食堂」
東京都台東区上野3-27-12
御徒町吉池本店ビル9F
03-3836-0445
「味の笛 本店」
東京都台東区上野5-27-5
03-3837-5828
1年前に再び通うようになり、
馴染みが復活した神保町シアター。
現在の特集は
「初著作刊行記念 女優・佐久間良子」。
著作は小学館の「ふりかえれば日々良日」。
シアターの運営が小学館だから
いわゆる番宣ですなコレは。
大女優・佐久間良子とは何故か縁が薄く、
観た作品は「人生劇場 飛車角」のみ。
印象がとてもよかったにもかかわらず、
何故か疎遠なまま今日まで来た。
今回は全16作中、6作を観る予定。
前半3作を観終わったのでリポートします。
最初は「喜劇 団体列車」(東映 1967)。
監督が瀬川昌治、主演はご存じ渥美清。
佐久間は渥美が熱を上げるヒロイン役。
可愛い未亡人だがメインはやはり渥美清。
「男はつらいよ」開始の2年前なのに
寅さんのおかしみ満載。
思い切り笑わせてもらった。
2本目は鶴田浩二が一人二役を演ずる、
「地獄に真紅な花が咲く」(ニュー東映 ’61)。
監督は佐伯清、脚本が川内康範。
鶴田は凄腕の拳銃使いと天才ポーカー師で
佐久間は札師の恋人役。
ここにも渥美がバーテン役で出ている。
3本目は「五番町夕霧楼」(東映 ’63)。
彼女の出世作にして代表作だ。
水上勉の原作、田坂具隆の監督。
金閣寺を焼いた修行僧が河原崎長一郎。
この名画は佐久間が名女優であることを
如実に証明して余りあった。
実は J.C.、今を去ること半世紀前。
東武東上線の中板橋だか常盤台の映画館で
この映画の予告編を観ている。
松方弘樹と北大路欣也が初共演した、
「花笠ふたり若衆」か
舟木一夫&本間千代子の
「君たちがいて僕がいた」のどちらかを
観た時と記憶するが
予告編から本編にたどり着くまで
実に半世紀を要したことになる。
特集のパンフレットにあった、
本人の ”あいさつを” 抜粋して紹介したい。
「五番町夕霧楼」では監督、キャメラマン、
スタッフの方と京都、丹後地方など
ロケ班に参加して
事前に撮影現場を見て廻りましたので
深く役作りに取り組む事が出来ました。
月末の閉幕まで
「人生劇場 飛車角」「東京丸の内」
「黄色い風土」の3本を
観に往くつもりでおります。
「豫園飯店」をあとにして飛鳥山に上る。
飲み仲間と夜桜の下で宴を開いたのは
10年ほど前だったろうか?
公園内に旧渋沢庭園や渋沢資料館、
飛鳥山博物館があるが興味は薄くスルー。
ゲーテの小径を下り、染井銀座に来た。
ここは豊島区・駒込。
染井霊園と飛鳥山に挟まれて
谷底みたいな場所である。
界隈は北区・西ヶ原と入り組み、
禍福は糾(あざな)える縄の如し。
その例え通りに
豊北(とほく)もまた糾える。
スーパー「サカガミ」向かいの半地下、
「BAKERY NAO」は好きな店。
野菜アヒージョパンとピロシキを買った。
これは翌日の朝食用だ。
更に南下すれば霜降銀座に名称が変わる。
こちらは北区・西ヶ原。
江東区・砂町銀座に本家があり、
北区・田端銀座にも支店を持つ鮮魚店、
「魚壮」に差し掛かると
店頭に数尾のマトウ鯛が並んでいた。
美味しいサカナくんだ。
あれは2007年、スロベニアの首都、
リュブリアナのレストランで
マトウ鯛のムニエルに出逢い、
ほとほと感じ入ったことがある。
実に美味しかった。
魚体の側面に大きな黒い斑点があるため、
弓矢の的に見立てられ、
的鯛だったのがいつの間にか
マトウ鯛と呼ばれるようになった。
欧州では珍重され、仏ではサンピエール、
伊でサンピエトロと聖なる名称で呼ばれる。
1尾購入して当日は刺身、
翌日にはムニエルで楽しんだ。
JR駒込駅下のガードをくぐり、
アザレア通りを抜け、田端銀座。
「豫園飯店」を出てから
たかだか30分で3つ目の銀座になる。
おでん種の「佃忠」は毎度のことで
ほとんど売れて残り少ない中から
ごぼ巻きと揚げボールをゲットした。
ひと月前、墨田区・鳩の街の「佃忠」では
ずいぶん買い込んだんだがネ。
まっ、これもまた楽しからずや。
「BAKERY NAO」
東京都豊島区駒込6-26-16
03-3915-2802
「魚壮 霜降銀座店」
東京都北区西ヶ原1-55-9
03-3910-2203
「佃忠 田端銀座店」
東京都北区田端3-8-6
03-3822-0973
いつもの「豫園飯店」@飛鳥山。
もう何十回と来てるが
今日は初めて麻婆豆腐を注文した。
量を半分にしてもらい、半ライスでー。
中瓶を3本は飲むから
このくらいでちょうどいいんだ。
J.C.の定席はレジ前の大きな丸卓。
8人ほど座れ、単身客の相席で埋まるが
13時過ぎに来るため、いつも卓を占有。
レジのうしろは厨房で
今日はその辺りがヤケに騒々しい。
たまりかねて席を立って行った。
「まことに申し訳ありませんが
もう少し静かにしていただけませんか?」
担当の S蘭は眉をハの字に寄せたけど
ほかの女郎衆は
「うひゃ、うひゃひゃひゃひゃあ!」
中国人がマジで笑ったら
その騒音たるや、日本人の比ではない。
余計にやかましくしちまったヨ。
やれやれ。
麻婆豆腐が調った。
減量したのにけっこうなボリューム。
一口食べて、味はいいけど油分が多い。
卓上のペーパーナフキンをクルッと丸め、
余計な油を吸い取らせた。
麻婆の横に紙団子が4つ並んじまった。
皿下げに来た女将の大娘(オネバ)が
怪訝(けげん)な目つきで訊いてくる。
「コレなあに?」
「丸めたティッシュだヨ」
「なあんだ、アハハハ!」
肩を思いっきり引っぱたかれた。
その大娘が小さな酒瓶を持って来る。
「何だいコレ? くれるの?」
「うん、飲んでみてー」
トクトクやって
「クイ~ッ・・・くわ~っ!」
ノドが焼けるように熱い。
ボトルを確かめたら
酒精度56%の白酒(パイチュウ)だ。
ひな祭りの白酒(しろざけ)とは雲泥の差。
こりゃマイッたな、ウォッカより強いぜ。
経済力においてロシアとチャイナは
まるで勝負にならんが
酒の強さでもチャイナが圧倒している。
牛欄山 二鍋頭酒などと、
聞いたこともない名前が付いていた。
3本目のビールはもうチェイサー代わり。
白酒はウイスキーのポケット瓶ほどなのに
小さいながら飲み切ること能わず。
ボトルをポケットにしまいました。
そろそろ帰ろ。
くわばら、くわばら。
「豫園飯店」
東京都北区滝野川2-7-15
03-5394-9951
先週、市川雷蔵の「弁天小僧」が今まで
観て来た邦画中ベスト3と書いたら
何人もの読者から便りが届きました。
曰く、
・私も観たがスゴい映画だった!
・ベスト3のあと2本は何と何?
・お得意のベスト10をやっちゃえばー
ご希望にお応えしましょう。
ベスト10いきます。
ただし、ときどきで順位が入れ替わるため、
トップ5とセカンド5ということで
順位はあえて付けませんでした。
ご理解を。
監督、主役、助演、寸評も添えときました。
=トップ5=
「椿三十郎」(東宝 ’62)
黒澤明 三船敏郎・仲代達矢・加山雄三
黒澤のベスト。菊島隆三の脚本もあっぱれ。
「弁天小僧」(大映 ’58)
伊藤大輔 市川雷蔵・勝新太郎・青山京子
ラストの御用提灯の波が映像美を見せつける。
「博奕打ち 総長賭博」(東映 ’68)
山下耕作 鶴田浩二・若山富三郎・藤純子
三島由紀夫のあの死に方はこの映画のせい。
「男はつらいよ 奮闘篇」(松竹 ’71)
山田洋次 渥美清・榊原るみ・森川信
寅さん留守でも信おいちゃんが笑わせる。
「嵐を呼ぶ男」(日活 ’57)
井上梅次 石原裕次郎・北原三枝・青山恭二
裕次郎&三枝の最高作。結ばれるワケだ。
=セカンド5=
「切腹」(松竹 ’62)
小林正樹 仲代達矢・三國連太郎・岩下志麻
仲代、一世一代のセリフ回しに驚嘆。
「蒲田行進曲」(松竹 ’82)
深作欣二 風間杜夫・平田満・松坂慶子
笑いと涙、同時に両方やって来る。
「復讐するは我にあり」(松竹&今村プロ ’79)
今村昌平 緒形拳・三國連太郎・小川真由美
浜松競艇場のシーンは全映画中ベストショット。
「砂の器」(松竹 ’74)
野村芳太郎 丹波哲郎・加藤剛・緒形拳
現代の浄瑠璃、ここに完成を見る。
「昭和残侠伝 死んで貰います」(東映 ’70)
マキノ雅弘 高倉健・池部良・藤純子
何と云っても殴り込みだよ、健さんは。
別段、忖度したわけでもないのに
トップ5は映画製作大手5社が
上手いこと分かち合うカタチになりました。
それに比べてセカンド5は松竹の独壇場。
松竹と相性がバッチリみたいだから
いっそ岡澤を梅澤に改称しようかしらん?
銀座に引換え上野はみ~んな開いている。
より取り見取り状態だ。
入ったのは御徒町南口そばの「清龍 上野店」。
4~5席横並びの差し向かい、
変則カウンターに滑り込んで
赤星中瓶と皿うどんのハーフを通した。
たかだか滞空20分でゴーイング・ホーム。
翌日は「切られ与三郎」&「弁天小僧」。
チケットは前日のうちに買ってある。
4日なら開いてる店も増えてるだろう。
そう思いきや、大して変わらなかった。
真っ当なところはみんな6日スタートだ。
有楽町駅前の交通会館の地下に潜ると
数軒が営業を開始していたが
みんな店先に行列を成している。
迷い込んだのは喫茶「阿蘇」。
12席ほどあるうち、先客は3人だった。
切盛りするのはオババァさん2人。
オババァはオバさんとオバァさんの中間。
ランチセットをトーストサンド&コーヒーで。
山型6枚切り食パン2枚に
玉子・きゅうり・トマトが挟まっていた。
自分で作るサンドに比べ、
中の具材は3分の1程度、ちと淋しい。
でも、有楽町で900円じゃ文句は言えないな。
ビールは扱っていない。
ビール抜きの昼めしはいつ以来だろう。
年に一度あるかないか、
味気ないランチタイムとなりました。
終映後、この日もまた、
メトロ銀座線の乗客となり、上野広小路へ。
「清龍」は前日寄ったので
「たきおか」「味の笛」「かのや」
「たる松」あたりを地下鉄に揺られながら
頭の中にグルグル思い描いていた。
昼のサンドイッチが
けっこうなボリュームだったため、
ドリンクだけでフードは無くてもいいや。
そんな気分だと、チョイスは一択。
「吉池」直営「味の笛」に直行の巻。
まだ新年4日だってぇのに大変な混み具合。
飲むだけだから1階の立ち飲みで十分だが
立錐の余地もない。
2階に上がり、2人用の小卓を確保。
紙コップのドライ生を2杯いただき、
滞空15分で退散。
正月早々、ランチ難民となった2日間でした。
「阿蘇」
東京都千代田区有楽町2-10-1
東京交通会館 B1F
03-3213-4530
「味の笛 本店」
東京都台東区上野5-27-5
03-3837-5828
雷蔵の「お嬢吉三」を観た1月3日と
「切られ与三郎」&「弁天小僧」の4日。
銀座・有楽町といえども
上映前の腹ごしらえには難儀した。
ちょくちょく利用する「三州屋」「煉瓦亭」
「泰明庵」「きたぎん!」は
雁首並べて討死を遂げ、玉砕の憂き目。
こいつは困ったゾ。
3日の14時過ぎ。
あちこち彷徨った挙句に転がり込んだのは
開業3年の「日比谷達磨酒場」。
有楽町ガード下に並ぶ店々の真向かいだ。
以前、何度も利用した中華料理店、
「慶楽」があった場所で
慶楽傳順ビルにその名を残す。
ドライ中瓶には緑のキューちゃん風お通し。
上に鰻蒲焼きの細切りが乗っている。
地鶏ハラミの炭火焼きがあって即注。
柚子胡椒が添えられ、
タップリの生キャベツにレモンひと櫛。
最近、価格が高騰しているキャベツだが
芯まで柔かいのに驚いた。
終映後、有楽町から銀座を
ほっつき歩いたものの、
コレといった店が見つからない。
東京で飲む場所に困ったら
イの一番に上野である。
あの忌まわしいコロ助禍においても
崩壊した浅草を尻目に
上野は元気を失わなかった。
エンコはしぼんだ風船さながら。
ノガミは空にゃ今日もアドバルーン。
ほうら美ち奴も歌い出した。
♪ 空にゃ今日も アドバルーン
さぞかし会社で 今頃は
おいそがしいと 思うたに
あゝ それなのに それなのに
ねえ おこるのは おこるのは
あたりまえでしょう ♪
(作詞:星野貞志)
1937年発表の「あゝそれなのに」は
映画「うちの女房にゃ髭がある」の主題歌。
歌った美ち奴は北海道・浜頓別出身の浅草芸者で
当時、一世を風靡した鴬歌手(芸者上がりの歌手)。
時流に乗ってヒットを飛ばし続けた。
萩本欣一やビートたけしのお師匠さん、
深見千三郎は美ち奴の実弟である。
あの姉にして、この弟アリを地でいった。
それはそれとして、その宵のJ.C.は
銀座で乗ったメトロ銀座線を
上野広小路で降りたのでした。
=つづく=
「日比谷達磨酒場・海神の後楽園」
東京都千代田区有楽町1-2-8
03-3528-8021
1月3日、出掛けました。
昨年末27日から今月30日まで
角川シネマ有楽町において
ただ今開催されているのが
「市川雷蔵 映画祭」
” SCREEN DEBUT 70th
刹那のきらめき "
全37本の製作すべてが大映である。
角川シネマ有楽町は有楽町駅前、
ビックカメラの8階。
かつてそごうデパートの在った建物だ。
思い出すなァ、
フランク永井の「有楽町で逢いましょう」。
♪ こころにしみる雨の唄
駅のホームも濡れたろう
あゝ小窓にけむるデパートよ
今日のシネマはロードショー
かわすささやき
あなたとわたしの合言葉
「有楽町で逢いましょう」 ♪
(作詞:佐伯孝夫)
この曲は1957年7月のリリース。
有楽町そごうが開業する際の
キャンペーン曲である。
J.C.は小学校に上がる前年だったが
リアルタイムでよく覚えており、
フランクのナンバーでは
昔も今も変わらぬマイベスト。
さて、雷蔵好きにはたまらない催し。
かく云う J.C.も胸弾ませ、心躍らせた。
本日の1本は「お嬢吉三」。
監督が田中徳三。
共演は浦路洋子、中村玉緒。
歌舞伎の脚色を存分に楽しめるものの、
チャンチャンバラバラの度がチト過ぎた。
翌日はまず「切られ与三郎」。
監督が伊藤大輔。
共演は淡路恵子、冨士真奈美。
歌舞伎狂言「与話情浮名横櫛」が原案。
宮川一夫による引き締まった画面に
観る者は否応なしに引きずり込まれる。
錦之助が淡路恵子に惚れたのもうなづける。
続いての「弁天小僧」」。
監督は同じく伊藤大輔。
共演が勝新太郎、青山京子。
これまた歌舞伎狂言「白浪五人男」より。
”知らざあ言って聞かせやしょう”
雷蔵のマイベストにして
すべての邦画中、3本の指に入るほど
愛してやまない作品なのです。
黒トリュフ&海胆ソースの
スパゲッティを食べるため、
渋谷区・並木橋のイタリアンへ。
12時を回ったばかりなのに
店内は若い女性でいっぱい。
スタッフのオニイさんが
「すみません、今日は予約で満席です」
「エエ~ッ! 15分で空けるけど・・・」
「今、空いてる席も5分で埋まるんです」
取り付くシマもないとはこのことだ。
臨時休業だったらあきらめもつくが
店内に入ったのに
リフューズされるのは心的打撃が大きい。
こういう場合はフラれたと云うより、
蹴られたと呼ぶのが正しい。
明治通りを渋谷駅方面にトボトボ。
道筋には飲食店が軒を連ねてるから
何とかなるだろう。
袖看板にデッカく ”とん汁定食”の文字。
店先に5人ほどの列があったけど決めた。
専門店だけにラインナップは
10種類ほどのとん汁のみ。
そのうちの季節限定版、
牡蠣とクレソンのとん汁定食を即断した。
ビールはアサヒ熟撰の小瓶。
メニューを手にして気づいたことに
「ごちとん」は都内あちこちに展開。
代々木が本店、あとは大手町、池袋、目黒。
横浜や大阪にも進出しており、
ここは渋谷新南口店という。
運ばれたドンブリに
牡蠣は小さいのが2個だけ。
クレソンは黄ばんだのも混じる。
とん汁だけに豚バラはそこそこの量。
自家製汲み豆腐も大きいのがドボン。
加えてキャベツ・玉ねぎ・ごぼう・
コンニャクの内容である。
同値で大・中・小から択べるごはんを
中でお願いしたら他店の小だった。
あとは大根の醤油漬け。
隣りに座った娘は J.C.と同じものに
アジフライを追加している。
そこそこ美味しくいただいたものの、
この定食が1199円は割高感否めず。
小瓶と合わせて1859円を支払うと
アジフライの無料券をくれた。
隣りのコはこの券の利用者かもネ。
20席のほとんどを女性が埋め尽くし、
ほかは若いリーマン数人で
オッサンはわれ独りなりけり。
先日はビーフシチューが
カレーもんじゃに転じたけれど
パスタがとん汁になっちゃうなんて
夢にも思わぬ日となりました。
「ごちとん 渋谷新南口店」
東京都渋谷区渋谷3-17-5
03-6427-6995
豊島区・要町の「福満苑 鼓楼」。
最初に運ばれ来たのは熊さんだ。
小姐によるとツキノワグマで
日本以外では食べられないと云う。
スライスされた赤身と白身の薄切りが
交互に4切れづつ並んでいる。
赤身といっても実際は茶色に近い。
思ったよりサッパリしていて
鹿肉に似た感じだ。
白身は脂身である。
馬のコウネ(たてがみ)にクリソツ。
馬肉の脂は牛や豚ほどしつこくないが
熊は馬よりもっとアッサリしていた。
添えられた胡瓜千切りを熊肉で包み、
四川ソースを絡めていただく。
ピリ辛ソースには
にんにくも入っていそうだが
生のすりおろしは玉ねぎのようだ。
テリーヌはピータンの黒に塩玉子の白。
黒白のモザイク模様が美しい。
ソースは酢溶きマスタードが主張する。
香菜(パクチー)と茗荷の酢漬けが
いい仕事をしていた。
紹興酒が欲しくなり、甕出しを1合。
うっかり銘柄を訊きそびれたが
舌ざわり滑らかにしてノド越しスッキリ。
日本人と思しき白髪のオジさんが
オーナーシェフのようで料理の腕も
酒の目利きも一流の御仁である。
ふと思い、手ちぎり薄おやきを1枚所望。
これが熊肉にもテリーヌにもピッタリ。
パンがあるとハム・ソーセージが
一気に美味しくなるように
手でちぎって頬張るおやきが
格段に料理を引き立てた。
辰年を締めくくってのお勘定は4240円。
ほかに試したい献立がいくつもあり、
再訪に確定の赤ランプが灯る。
早ければ春節の前後。
遅くとも年度が変わる前には来よう。
10分ほど歩いて昔お世話になった、
ハタ・ボウリングセンターの跡地へ。
授業をサボッてよく行ったのは
池袋西口のロサ会館とこのハタ。
ところが面影はまったく残っていない。
大型の無印良品とマルエツが
賑わいを見せているものの、
あの時代はこんなん無かったもんな。
わが青春ははるか忘却の彼方。
思い出だけが降り積もるヨ。
「福満苑 鼓楼(フクマンエン グーロー)」
東京都豊島区要町1-14-9
03-5966-6661
2024年最後の外食は豊島区・要町。
メトロ有楽町線で池袋の一つ先だ。
この路線が開通する前。
も一つ先の千川駅が出来た辺りに
わが母校、都立板橋高校があった。
いや、今も生き残ってはいるが
偏差値はミサイルに攻撃された、
航空機の如くに急降下して
クズ高校に堕したと聞き及んでいる。
悪名高き都立高の学校群制度。
その第一期生のわれわれがせっかく
真っ当な高校にレベルアップしたのに
すべては水泡に帰してしまった。
高校2~3年時の GFは
巣鴨とげぬき地蔵脇の米屋の娘。
授業が終わるとよく2人して
千川の校舎から要町を経て池袋まで歩いた。
ほとんど毎日のことだから
同じ道筋では退屈する。
十通りはルートを開拓したんじゃないかな。
さように思い出深き要町。
ふた月ほど前、この町の「小倉庵」に
出向いた際、近くで通りすがったのが
四川を中心とした中国料理店、
「福満苑 鼓楼(フクマンエン グーロー)」。
今の時季、ジビエの提供があるので
たまには食べてみようか?
そんな気になった。
以前、ジビエは大好きだったが
自分で生き物を飼うようになってから
自然界に棲息する物を口にするのは
なるべく避けるようになった。
じゃあ、牛や豚ならいいのか? ってか?
そうこられちゃ、返す言葉はないけどネ。
細長い店舗の一番手前、
入口からすぐの四人掛けに促された。
小姐に赤星中瓶をお願いして
菜譜をじっくりチェックする。
全6品のジビエ料理はかくの如し。
熊肉スライス四川辛味ソース 1800円
熊の四川麻辣煮 4200円
熊肉とごぼうのにんにく炒飯 2000円
鹿スペアリブ衣揚げ香辣風味 3000円
鹿赤身ステーキ発酵唐辛子ソース 3600円
野猪(イノシシ)酸白菜春雨煮 3600円
熊肉スライスに白羽の矢。
辰年の締めくくりを熊さんに託したのだ。
そしてもう1品。
ピータンと塩玉子のテリーヌをお願いした。
=つづく=
斑(まだら)の猫に手を振ってサヨナラ。
大踏切通りを渡り、
柳原一丁目から二丁目へ。
古い家屋が密集する界隈は人間に例えれば、
後期高齢者みたいなものだろう。
柳原二丁目は防災上の難題を抱えており、
2022年に東京都都市整備局が発表した
「地震に関する地域危険度測定調査」で
都内5,192町丁目にあって
火災危険度がワースト1位。
建物倒壊危険度と総合危険度では3位。
オリンピックなら金1個に銅2個。
大活躍なんだけどねェ。
老舗「やなぎ家」の暖簾をくぐる。
今年の外食の年越しそばは
あらかじめ当店に決めてあった。
あちこち歩き回ったので時刻は13時半。
なのに8割の席が客で埋まっている。
2人掛けに腰を下ろし、
ドライ中瓶を発注した。
あげそばカレーが
ビールに合うと聞き及んでいる。
揚げたそばにカレールウを掛けたものだ。
普段からキワモノは避けているが
ビールに合うと聞いちゃ、
つい、頼んじまうのもむべなるかな。
そばの太さは中くらい。
豚小間・玉ねぎ・にんじん入りのルウが
たっぷりブッ掛かっている。
ただ、あまり美味しそうには見えない。
どの角度から眺めても
容姿端麗にはほど遠かった。
箸を進めると、
ふ~む、悪くないけど良くもない。
ところが食べ進むうちに
親近感が生まれたというか、
信頼関係が構築されたというか、
だんだん旨くなってきて
仕舞いにゃ愛まで芽ばえ、
おい、俺はお前を好きになったゾ!
千住のはずれで愛を叫びたくなった。
当初はもりで締めるつもりだったが
急遽かけに切り替える。
半分食べたあと残ったルウをブッ掛け、
カレー南蛮に仕立てるためだ。
ちょいとばかり食べ過ぎたものの、
去り行く辰年の年越しそばは祝着至極。
良いカタチで巳年につながることでしょう。
「やなぎ家」
東京都足立区柳原2-18-8
03-3881-0204
おめでとうございます。
本年もよろしくお願いします。
年末も末の末の或る日。
日暮里駅から京成本線・各駅停車に乗った。
降りたのは5つ目の堀切菖蒲園。
この時季、菖蒲園に行っても
花菖蒲は咲いていない。
よって駅の周りをぶ~らぶら。
でもネ、陽の高いうちの飲み屋街は
どこか間が抜けてるんだ。
綾瀬川と荒川を両方まとめてまたぐ、
全長1kmはありそうな堀切橋を西へ渡る。
風の強い日は無謀ながら
陽射しに恵まれたこの日は
歩を進めながらウキウキしてきた。
そうだ! 堀切菖蒲園の代わりに
柳原千草園を散策しよう。
おっと、その前に東武伊勢崎線こと、
東京スカイツリーラインの堀切駅に寄ろう。
沿線で最も乗降客数が少ないのが当駅だ。
現在、堀切は葛飾区の地名だが
堀切駅は足立区・千住曙町にある。
荒川(旧荒川放水路)の開削により、
駅周辺が取り残されてしまったのだ。
23区内にしてはのどかな東口駅舎。
東口から西口へは専用ではないものの、
空色の陸橋を渡らねばならない。
西口の佇まいも東京にいることを
しばし忘れさせるものがあった。
そんな駅舎よりトイレの建屋が立派で
駅舎側から女子トイレ、多機能トイレ、
男子トイレの順に並んでいる。
このアンバランスの妙にしばし立ちすくむ。
駅の西側に東京未来大学あり。
創立して17年の新しい学び舎だが
もし未来大学無かりせば、
堀切駅の未来も無かったものと思わせる。
冬休みなので猫の子1匹いなかったがネ。
京成本線をくぐり、伊勢崎線を渡って
柳原千草園にやって来た。
ルミ子の「わたしの城下町」じゃないけれど
四季の草花が咲き乱れる憩いの場は
丸三製紙千住工場の跡地を
足立区が買収し、1989年に開園した。
草むらを猫の子が1匹ノソノソ。
白と黒のツートンカラーだ。
警戒したのか、初めて見る J.C.の顔を
見つめたまま固まっている。
差し向かうこと3分あまり。
頭を撫でようと近づいたら
とんずらしたのでバイバ~イ。