豊島区・要町の「福満苑 鼓楼」。
最初に運ばれ来たのは熊さんだ。
小姐によるとツキノワグマで
日本以外では食べられないと云う。
スライスされた赤身と白身の薄切りが
交互に4切れづつ並んでいる。
赤身といっても実際は茶色に近い。
思ったよりサッパリしていて
鹿肉に似た感じだ。
白身は脂身である。
馬のコウネ(たてがみ)にクリソツ。
馬肉の脂は牛や豚ほどしつこくないが
熊は馬よりもっとアッサリしていた。
添えられた胡瓜千切りを熊肉で包み、
四川ソースを絡めていただく。
ピリ辛ソースには
にんにくも入っていそうだが
生のすりおろしは玉ねぎのようだ。
テリーヌはピータンの黒に塩玉子の白。
黒白のモザイク模様が美しい。
ソースは酢溶きマスタードが主張する。
香菜(パクチー)と茗荷の酢漬けが
いい仕事をしていた。
紹興酒が欲しくなり、甕出しを1合。
うっかり銘柄を訊きそびれたが
舌ざわり滑らかにしてノド越しスッキリ。
日本人と思しき白髪のオジさんが
オーナーシェフのようで料理の腕も
酒の目利きも一流の御仁である。
ふと思い、手ちぎり薄おやきを1枚所望。
これが熊肉にもテリーヌにもピッタリ。
パンがあるとハム・ソーセージが
一気に美味しくなるように
手でちぎって頬張るおやきが
格段に料理を引き立てた。
辰年を締めくくってのお勘定は4240円。
ほかに試したい献立がいくつもあり、
再訪に確定の赤ランプが灯る。
早ければ春節の前後。
遅くとも年度が変わる前には来よう。
10分ほど歩いて昔お世話になった、
ハタ・ボウリングセンターの跡地へ。
授業をサボッてよく行ったのは
池袋西口のロサ会館とこのハタ。
ところが面影はまったく残っていない。
大型の無印良品とマルエツが
賑わいを見せているものの、
あの時代はこんなん無かったもんな。
わが青春ははるか忘却の彼方。
思い出だけが降り積もるヨ。
「福満苑 鼓楼(フクマンエン グーロー)」
東京都豊島区要町1-14-9
03-5966-6661