2025年1月30日木曜日

第3722話 わが青春の有楽町 (その2)

およそ2年のロンドン滞英のあと、
1975年夏、日本に帰国した。
そして早くも1週間後、
働き始めたのが「サンレモ」から
晴海通りを30mほど西側、
日比谷公園寄りにあった喫茶店の2階で
カメラ・オーディオ・時計を扱う免税店。

その頃、昼めしに通ったのが
職場の真裏の食堂「いわさき」。
大正9年の創業時はおでん屋だった。
森繁久彌のエッセイにも登場する。
名代はかつ丼のアタマとメシを
別盛りにした ”わかれ” で
何度お世話になったことかー。

夜は夜で新橋寄りのガード下「八起」。
北区・赤羽にあった本店はもう無い。
白味噌仕立てのもつ煮込みが名物で
J.C.にとっての煮込みの原点は此処。
モツは豚のシロ、味噌も信州の白。
もつ煮はホワイトでなくっちゃ!

「いわさき」と「八起」。
ともに初訪から丸50年。
あれから半世紀も経ったひにゃ、
J.C.だって歳を取るワケだヨ。
近々、顔を出してみようかな?

おっと、キクチさんの「慶屋」だった。
1杯700円のカレーうどんは
細めのうどんに豚小間と玉ねぎ。
シンプルなのに味わい深い。

かけうどんにルウが載るのではなく、
スープカレーが一体となってぶっ掛かり、
どんぶり全体を浸すタイプだ。

オヤジさんが
「ごはん、どうします?」
J.C.応えて
「う~ん、ごはんはやめといて
 ビールをもう1缶もらおうかな」
さっきはサントリーのトリプル生。
今度はキリン一番搾りを取り出した。

小さな冷蔵庫にはその2種類のみ。
念のため、訊いてみた。
「アサヒは無いのネ?」
「ウン、有る物は有る、無い物は無い」
まっ、そりゃ、そうだ。

青春時代を振り返りつつ、
昔の有楽町の話に花を咲かせ、
「じゃ、また来ます」
「ウン、待ってます」

「慶屋」
 東京都千代田区有楽町2-4-11
 03-5222-8262