奥戸街道を東に一直線。
奥戸新橋で新中川を渡ってほどなく、
はるか神田明神界隈から伸びて来た、
蔵前橋通りに街道は吸収され、
江戸川区・小岩に到達した。
駅南口の地蔵通りで
割烹「酔い処(よいしょ)」に遭遇。
店頭の品書きに惹かれて入店する。
ドライ中瓶には筋子おろしのお通し。
愛媛のハタとずいぶん迷ったが
より稀少度の高い石鯛に白羽の矢。
こちらは千葉で揚がったものだ。
大ぶり5切れの刺身が運ばれる。
ふむ、何と申しましょうか?
舌にまとわりつく不思議なテクスチャー。
身質に粉っぽさを感じさせるようなー。
でも、すこぶる美味し。
品書きには石鯛カマ焼きもあった。
売切れの憂き目は御免こうむりたい。
お運びの女性にキープをお願いしておく。
訊いたら厨房の店主が旦那さんで彼女は
そろそろ上がり、助っ人が出勤する由。
子どもの面倒をみるのだろう。
2本の中瓶を飲み終え、
鹿児島のタイガー&ドラゴンなんて
ヘンな名前の芋焼酎をロックで1杯。
うむ、真っ当な芋だネ、これは。
ここでカマ焼きを声掛けする。
普通は片割れなんだが
頭の部分でつながり、丸一尾分が現れた。
すかさず珍しいじゃがいも焼酎をー。
斜里岳山麓、清里焼酎醸造所の手になる、
その名も清里はさつまいもよりスッキリ。
麦と芋の中間といった味わいだ。
カマは食べ出があるものの、
その美味に舌鼓を鳴らして食了。
ふらり立ち寄った割烹だが
小岩にはまれな佳店に出逢い、
幸せいっぱい、夢いっぱい。
恋心すら芽ばえてしまった。
ほうら、藤圭子も歌い出す。
♪ 飲めば飲むほど うれしくて
しらずしらずに はしご酒
恋は小岩と 下手なしゃれ
酒の肴に ほすグラス
よってらっしゃい
よってらっしゃい お兄さん ♪
(作詞:はぞのなな)
「はしご酒」は1975年11月のリリース。
小岩にとどまらず、浅草・押上・亀戸・平井・
金町・錦糸町と東東京の飲み屋街オンパレード。
新宿・渋谷・池袋を外してクリーン・ヒットだ。
「居酒屋 酔い処(よいしょ)」
東京都江戸川区南小岩7-26-3
03-3660-4272