2025年1月15日水曜日

第3711話 30分で 3つの銀座

「豫園飯店」をあとにして飛鳥山に上る。
飲み仲間と夜桜の下で宴を開いたのは
10年ほど前だったろうか?

公園内に旧渋沢庭園や渋沢資料館、
飛鳥山博物館があるが興味は薄くスルー。
ゲーテの小径を下り、染井銀座に来た。

ここは豊島区・駒込。
染井霊園と飛鳥山に挟まれて
谷底みたいな場所である。
界隈は北区・西ヶ原と入り組み、
禍福は糾(あざな)える縄の如し。
その例え通りに
豊北(とほく)もまた糾える。

スーパー「サカガミ」向かいの半地下、
「BAKERY NAO」は好きな店。
野菜アヒージョパンとピロシキを買った。
これは翌日の朝食用だ。

更に南下すれば霜降銀座に名称が変わる。
こちらは北区・西ヶ原。
江東区・砂町銀座に本家があり、
北区・田端銀座にも支店を持つ鮮魚店、
「魚壮」に差し掛かると
店頭に数尾のマトウ鯛が並んでいた。
美味しいサカナくんだ。

あれは2007年、スロベニアの首都、
リュブリアナのレストランで
マトウ鯛のムニエルに出逢い、
ほとほと感じ入ったことがある。
実に美味しかった。

魚体の側面に大きな黒い斑点があるため、
弓矢の的に見立てられ、
的鯛だったのがいつの間にか
マトウ鯛と呼ばれるようになった。

欧州では珍重され、仏ではサンピエール、
伊でサンピエトロと聖なる名称で呼ばれる。
1尾購入して当日は刺身、
翌日にはムニエルで楽しんだ。

JR駒込駅下のガードをくぐり、
アザレア通りを抜け、田端銀座。
「豫園飯店」を出てから
たかだか30分で3つ目の銀座になる。

おでん種の「佃忠」は毎度のことで
ほとんど売れて残り少ない中から
ごぼ巻きと揚げボールをゲットした。
ひと月前、墨田区・鳩の街の「佃忠」では
ずいぶん買い込んだんだがネ。
まっ、これもまた楽しからずや。

「BAKERY NAO」
 東京都豊島区駒込6-26-16
 03-3915-2802

「魚壮 霜降銀座店」
 東京都北区西ヶ原1-55-9
 03-3910-2203

「佃忠 田端銀座店」
 東京都北区田端3-8-6
 03-3822-0973