2025年1月16日木曜日

第3712話 疎遠なままの 佐久間良子

1年前に再び通うようになり、
馴染みが復活した神保町シアター。
現在の特集は
「初著作刊行記念 女優・佐久間良子」
著作は小学館の「ふりかえれば日々良日」
シアターの運営が小学館だから
いわゆる番宣ですなコレは。

大女優・佐久間良子とは何故か縁が薄く、
観た作品は「人生劇場 飛車角」のみ。
印象がとてもよかったにもかかわらず、
何故か疎遠なまま今日まで来た。

今回は全16作中、6作を観る予定。
前半3作を観終わったのでリポートします。
最初は「喜劇 団体列車」(東映 1967)。
監督が瀬川昌治、主演はご存じ渥美清。
佐久間は渥美が熱を上げるヒロイン役。

可愛い未亡人だがメインはやはり渥美清。
「男はつらいよ」開始の2年前なのに
寅さんのおかしみ満載。
思い切り笑わせてもらった。

2本目は鶴田浩二が一人二役を演ずる、
「地獄に真紅な花が咲く」(ニュー東映 ’61)。
監督は佐伯清、脚本が川内康範。
鶴田は凄腕の拳銃使いと天才ポーカー師で
佐久間は札師の恋人役。
ここにも渥美がバーテン役で出ている。

3本目は「五番町夕霧楼」(東映 ’63)。
彼女の出世作にして代表作だ。
水上勉の原作、田坂具隆の監督。
金閣寺を焼いた修行僧が河原崎長一郎。
この名画は佐久間が名女優であることを
如実に証明して余りあった。

実は J.C.、今を去ること半世紀前。
東武東上線の中板橋だか常盤台の映画館で
この映画の予告編を観ている。

松方弘樹と北大路欣也が初共演した、
「花笠ふたり若衆」か
舟木一夫&本間千代子の
「君たちがいて僕がいた」のどちらかを
観た時と記憶するが
予告編から本編にたどり着くまで
実に半世紀を要したことになる。

特集のパンフレットにあった、
本人の ”あいさつを” 抜粋して紹介したい。

「五番町夕霧楼」では監督、キャメラマン、
スタッフの方と京都、丹後地方など
ロケ班に参加して
事前に撮影現場を見て廻りましたので
深く役作りに取り組む事が出来ました。

月末の閉幕まで
「人生劇場 飛車角」「東京丸の内」
「黄色い風土」の3本を
観に往くつもりでおります。