2026年9月10日木曜日

第4173話 小雨に煙る隅田川 (その3)

暮れなずむ隅田川。
上流の荒川では雨足が強いと
見えて水量が増している。
まあ、溢れることはあるまい。

ドルチェの代わりに食後酒。
ノチェッロ(くるみ)も
フランジェリコ(ヘーゼルナッツ)も
無いというので
アマレット・ディ・サロンノをー。

アーモンドの香りを持つ酒の原料は
アンズの種、杏仁豆腐に同じくだ。
当方2杯、相方1杯でお勘定。
2万2千円は思ったより安かった。

時刻はまだ18時過ぎ、まだ飲むゾ。
向かったのは田原町の「三富珊瑚」。
ときどき利用する沖縄バーである。
そこでN沢夫妻とバッタリ。
この1月以来だから7カ月ぶりだ。

ブログ断筆騒動のおかげで
出逢った御仁だがこの店は
彼に連れられて訪れた。
カウンターが満席で小卓に着き、
古酒(クース)の白ゆりを所望。

ふと、富山県・氷見に嫁いだ、
A子のことを思い出した。
NY時代、ラウンジ「U」を
よく利用したがA子は
其処のママを20年も勤めた。
N美も一時期、
その店に籍を置いていたのだ。

二人に話をさせようと思い、
電話をするとノー・リプライ。
ジョン・レノンが歌い出すが
小姑が五月蠅いのでやめておく。

夜更けにメールが返され、
その旨、伝えてやると
(キャー、残念!)
ついでに氷見の状況を訊ねた。
千葉を襲った線状降水帯は
その後、北陸3県に襲来。

(玄関だけちょっと浸水したけど
 庭の池も溢れず飼ってるデブ金魚、
 13匹の琉金もみんな無事)
(そうか、琉金が流金にならんで
 好かったな!)
(ワハハハ、ありがと!)

それはそれとして白ゆりのお替わり。
相方はGFサワーを飲んでいる。
「N美は鮨と焼肉だったら
 焼肉がいいんだろ?」
「ううん、絶対お鮨!」
「なんか肉のイメージだけどな」
「違う、違う、お鮨が好き」
「じゃ今度、浅草一の鮨屋に
 連れてってやろう」
「うん、絶対よ、約束よ!」

てなこってひと月後の再会を約す。
長いブランクを挟んだものの、
N美とは30年来のつき合いだ。
二十歳(はたち)そこそこだった
彼女も早や五十路に突入している。

3年半ぶりに逢ったってェのに
また来月かー。
焼けぼっくいに火が付かぬよう、
心せねばなりませぬな。

=おしまい=

「inf 隅田川イタリアン 蔵前店」
 東京都台東区駒形2-1-13
 050-5456-6061

「三富珊瑚」
 東京都台東区西浅草1-3-17
 03-6795-1344