2022年8月17日水曜日

第3082話 近所の「松屋」と「ちよだ鮨」

お盆に入る前、団子坂下を歩いていて
牛めし「松屋」の前を通りかかった。
店先に大きなパネルあり。
スーパードライ中瓶の写真よりも
目を引いたのはこの文言だ。

もう我慢するの、やめません?
瓶ビール値下げ HAPPY SUMMER
490円→390円

コレはJ.C.のために始まったサービスじゃないか。
勇気づけられ、背中を押され、飛び込んだ。
購入した食券をカウンターに置いて着席。
すると接客のアンちゃんの様子がおかしい。
どこかモジモジしている。
いや、オドオドのほうが正確な表現かな。

「ビールだけで・・・よろしいですか?」
「うん、食事はしてきたから・・・」
瓶とグラスを運んで来た彼に
「ビールだけのお客はあまりいないよネ?」
「エッ? ええ、初めてです」
「エエ~ッ、初めてなのっ?」

こいつは驚いた。
帰り際に
「また来てもいいかな?」
「ハイ、お待ちしてます」
うん、うん、キミは好い青年だ。

HAPPY SUMMER とあるから夏場だけだろう。
数日後、食事を兼ねて再訪し、
牛めし小盛りのつゆ抜きと注文した。
この程度の量でじゅうぶんなのだ。
中瓶付きのランチが締めて740円也。
申し訳ないみたいだネ。

その帰り道。
谷中よみせ通り入口そばの「ちよだ鮨」。
今度は店頭のポスターに目がとまった。
”琉球すぎ” ? 何だコレ?
見たことも聞いたこともないゾ。

白身のサカナである。
真鯛は身肉に透明感があるが
琉球すぎはほんのりと白濁している。
にぎり4カン入りのパック(430円)を買った。

さっそく調べてみると、
群れをつくらないため、まとまった漁獲がない。
しかし、世界各地で養殖されており、
本品は文字通り沖縄産。
図鑑を見たら鰆に似た面構えと体形をしていた。

種をペロッとめくって粉わさびを拭い去り、
おろし立てのわさびを忍ばせてパクリ。
う~む・・・美味いじゃないですか。
脂のノリが軽やかで上品、臭みはまったくない。

2日後、リターン・トゥー・「ちよだ鮨」。
この日も琉球スギを4カン購入し、
晩酌時にゆっくりと味わった。
間を置かずに再食したワケは
このサカナの食味・食感を舌に覚えさせ、
脳に記憶させるためでありました。

「松屋 千駄木店」
 東京都文京区千駄木2-33-8
 03-5834-1361

「ちよだ鮨 千駄木店」
 東京都文京区千駄木3-37-17
 03-3828-8272

2022年8月16日火曜日

第3081話 どっこい 昭和は残ってた

この日も暑かった。
文京区・根津の行きつけでスポーツ誌を読みながら
もりそばでもたぐろうか・・・。
いや、暑いときには熱いものがいい。
だけど、かけそばの気分じゃないなァ。

ラーメンにしてみるか。
「砺波」亡きあと、近所に美味しい店は皆無。
過去のリストをつぶさに眺めて択んだ。
千駄木からメロロ千代田線に乗って3駅。
新御茶ノ水下車。

聖橋で神田川を渡り、孔子を祀る湯島聖堂を
右に見ながら通り過ぎ、清水坂下の「大至」へ。
リストでは花マル付きなのに13年ぶリである。
かくも長き不訪。

見覚えのある引き戸を引くと
すぐそばのテーブルに領収書がゴッソリ。
店のスタンプまで置いてある。
必要な方はご自分でどうぞ、ということらしい。

ビールはドライの小瓶(390円)。
とても1本じゃ足りないから2本。
ラーメン(830円)とワンタン(170円)を。

券売機に明記されていたのは
麺少なめのお客様
ミニサラダサービス 又は 100円引き
食券を手渡すときに申告しないと
あとからでは対応しかねるとのこと。

カウンターのオネエさんに訊かれ、
ラーメンとサラダを同時に食べる習慣がないため、
100円玉をゲット・バック。
彼女の次の質問はワンタンの選択肢。
ラーメンのトッピングの代わりに
ビールのつまみにも出来得ると言う。

へえ~っ、粋な計らいじゃござんせんか。
つまみで頼んでみたら
ワンタン2個に醤油スープがヒタヒタ。
豚挽き肉に竹の子が恰好のアクセントだ。

整ったラーメンを彩るのは
豚バラチャーシュー薄切り2枚、シナチク、
ナルト、海苔、ほうれん草、固ゆで半玉と
昭和の支那そばの役者が勢揃い。
そうだヨ、昔はこうだったんだヨ。
ゆで半玉のみ余計な気もするが
これとてサービス精神の表れだ。

中太ややちぢれ麺はしまいまでノビない。
もうちょい細打ちが好みだけどネ。
そしてこのラーメンの最大の魅力は
鶏ガラを前面に押し出したスープ。
油の浮き多くとも口当たりはアッサリ。
中盤から酢を掛け回してさらに好し。
飽くことなく姦淫し、もとい、完飲しちまった。 

帰宅後、PCを開き、リスト上の「大至」に
花マルをもう一つ、打ち込んだのでした。

「大至」
 東京都文京区湯島2-1-2
 03-3813-1080

2022年8月15日月曜日

第7980話 昭和どころか 平成も遠く (その3)

田町駅前の「やまとや」でホイスを飲んだところ。
長居は無用と身の振り方を思案。   
取り合えず、山手線の外側に出てみてビックリ。
ややっ、こいつは驚いた。

ちょいと来ない間に景色は一変。
なぎさテラスなんてのが建っておる。
以前は此処に居酒屋や町中華が軒を連ね、
下町ックな雰囲気が漂っていたんだ。

さらに歩みを進めた。
羽田から海っべりを走っていたモノレールは
浜松町に近づき、この辺でカーブする。
周辺がみなピカピカと新しいから
レールを支えるコンクリートの橋脚はだけが
やけに古ぼけて見える。
そろそろ改修しなきゃマズいんでないかい?

かつて料亭「牡丹」があった場所に行ってみた。
女将が友人の知り合いという縁で
何度もおジャマした店だが影も形もない。
ちょうど世紀の変わり目で平成12年前後。
20年でずいぶん変わっちゃうもんだ。
近所の「キクヤ レストラン」は今も健在。

浜松町に到達。
駅前の高層ビル、世界貿易センターは
建て替え中だが南館は竣工したもよう。
第一京浜交差点そばの「秋田屋」をのぞくと
立ち飲みカウンターはキツッキツ。
こりゃアカン、何処かに移動せねばー。

最寄りの地下鉄駅・大門は
ともに都営の浅草線と大江戸線。
取り合えず潜ろう。
浅草線なら文字通り浅草、
大江戸線なら上野の二者択一。

降りたのは浅草線のプラットフォーム。
こりゃ「神谷バー」しかないな。
食欲はないから Drink Only OK の1階へ。
ドライ大瓶と電氣ブランオールドの食券を購入。

はす向かいの初老夫婦に話しかけられた。
「瓶ビールが好きなんですか?」ー旦那さん。
「いえ、生も好きですけど、泡が苦手で」ーJ.C.。
「エエ~ッ、泡が美味しいんでしょ」ー奥さん。
「でも、泡はほとんど空気ですからネ」ーJ.C.。

言葉を交わすこと20分。
おいとまして歩く仲見世。
感染者数激増のせいか思いのほか、
人出はずっと少ないのでした。

=おしまい=

「やまとや」
 東京都港区芝5-34-7
 03-3451-3550

「神谷バー」
 東京都台東区浅草1-1-1
 03-3841-5400

2022年8月12日金曜日

第3079話 昭和どころか 平成も遠く (その2)

田町駅前の立ち飲み「やまとや」。
熊本産馬刺しは小鉢に5切れ。
ハラミとのことだが一箸つけて愕然。
何だよぉ、この硬さはよぉ!

吐き出すわけにもいかず、飲み込むこともできない。
ティッシュに包んで足元の屑入れに放り込んだ。
3切れの赤身はどうにか飲み下せたが
膜付きの2切れはどうにもならん。

その硬さといったら
頑なに口を閉ざすセクハラ議員の如し。
議員どころか
あんなのが国会の議長じゃ国民は不幸だ。

悪事隠しのカルト教会名称変更認可。
当時の文化相も国立大入試問題の民間委託はじめ、
いかがわしいことのオンパレード。
地元の友人たちは”板橋区の恥”と恥じ入っている。

議員という人種は票につながれば何でもするな。
金になるなら下着を下ろす娼婦と同じだ。
いや、親や子どものために春をひさぐ行為は
よほど人倫の道に則した生き方と言える。

作詞家・なかにし礼が自ら作曲を手掛けた、
流行歌「時には娼婦のように」。
きゃつらときたら選挙のたんびに娼婦だもんネ。
いや、それじゃ娼婦に失礼、娼婦以下だぜ、ったく。

将棋史上初の三冠となった升田幸三元名人。
参院選出馬を打診され(自民党だったと思う)、
こう応えた。
「本業に自信のある者は
 政治家なんかにならんもんだよ」
まさしくである。

政治家にブラ下がる金魚のフンみたいな
政治記者はもとより、この国のマスメディアは
クソの役にも立たんジャーナリストもどきだらけ。
将棋の名人にして人生の達人の一言は
惰メディアの万筆を一蹴してなお余りある。

いかん、熱くなっちまったヨ。
それはそれとして・・・
とは安易にいかないんだが、まあ、それとして
過日は門仲のレバフライ。
今日は田町の馬刺し。
近頃、不発続きの立ち飲み酒場。
口直しにホイスを1杯もらった。

昭和30年代、不味い焼酎を
飲みやすくするために開発された割り材は
20年代生まれのホッピーの弟分的存在なのだ。

=つづく=

2022年8月11日木曜日

第3078話 昭和どころか 平成も遠く (その1)

大森北1丁目の飲み屋街を抜け、
京浜急行・平和島の高架下。
かつての駅名は学校裏で、わが家の最寄りだった。

第一京浜の1本東を並行して走る美原通りを北上。
なじみ深い商店街にあった美原映画が
ラジオ以外に楽しみのない家族には最大の歓びだった。

錦之助、千代之介、裕次郎、圭一郎、
みんな此処で観た。
鶴田浩二、若山富三郎、高倉健の任侠映画に
心酔するのはずっとあとのこと。

平和島入口手前の路地を右折。
通った大森第五小の通用門に続く道筋だ。
此処にわが家があった。
2階建ての2階2部屋の間借りだけどネ。

界隈はみな建て替わってしまい、
当時のおもかげなど跡形もない。
この状態は十数年前に確認したものの、
あらためて思う、昭和は遠くなりにけり。

磐井神社にやって来た。
小学3年くらいだったかな?
あれは節分か何かで
クラス仲間からお金がまかれるとの情報が入り、
一同、気合いを入れて乗り込んだ。
落ちて来るおひねりを夢中で拾い集め、
3つか4つゲットしたが中身はみんな5円玉。
それでも子どもにとって得難き大金でした。

直射日光のせいでバテてきた。
大森海岸から京浜急行に乗る。
泉岳寺で都営浅草線に乗り換え、三田下車。
目の前のJR田町駅に隣接するビルの1階、
立ち飲み「やまとや」に入店。
5年ぶりである。

あのときは白金の名刹にて満開の桜を愛でたあと、
泉岳寺に立ち寄り、四十七士の代表者、
大石内蔵助の墓前で手を合わせ、
田町まで歩いたのだった。

瓶ビールはなく、生もキリンラガーのみ。
取り合えず、気の進まぬ中ジョッキ。
土曜の15時過ぎで先客が3人。
駅前の好立地ながら
とても上野・浅草のようにはいかない。

生姜焼き定食のあとだから
何も食べたくない。
らっきょ(200円)でお茶を濁すかな?

メニューを手にして馬刺し(600円)を発見。
しかも本日のおすすめボードの真っ先に
”熊本馬刺し”の一筆。
馬刺し好きは看過能わず、
よせばいいのに注文に及ぶのだった。
これが馬違(まちが)いの始まりなり。

=つづく=

2022年8月10日水曜日

第3077話 豚バラの ”お食事”うまし 飲み屋街

「吉池食堂」に上った翌日。
リブロース生姜焼きを求めて大田区・大森へ。
「お食事 まるやま」は大森海岸通りの南側、
居酒屋やスナックが建ち並ぶ飲み屋街の一郭。
界隈の人気店は、煮込み「蔦八」、
珈琲亭「ルアン」が双璧かな。

それにしてもスナックの多いエリアだ。
昼過ぎから夕刻にかけて
いわゆる昼カラオケを営んでおり、
歌声があちこちからもれてくる。

初訪問の「まるやま」は小体な店だった。
目立たないものだから
「ルアン」のすぐそばなのに見落としてしまった。
大森北1丁目34番地をグルリ1周してようやく発見。

底辺が2席と短いL字カウンターは
縦のラインが10席、テーブルはない。
底辺ではカップルがドライ大瓶と玉露割り。
彼らの斜め前、入口に近い席で大瓶を発注した。

そうしておいて目当てのリブロースを
オバちゃんにお願いすると
「今日はリブロース終わっちゃったの。
 バラとロースはありますけど・・・」
失望と落胆のはざまで心が揺れている。
無いものねだりはできない、バラ肉を半ライスでー。

当店はとんかつと生姜焼きが二枚看板。
みな林SPFポーク使用で、生姜焼きの定食は
リブロースー1600円 
ロースー1200円 バラー1000円

土曜日とあって、みなさん飲んでいる。
背後のTVは「鎌倉殿の13人」。
画面が暗いうえ、店内は明るいから
ほとんど真っ黒、小栗旬の声だけが降って来る。

整った皿には豚バラが大小交えて12片ほど。
あとは繊切りキャベツにパセリ1房。
他店にありがちなマヨネーズは無かった。
うん、うまいネ。
6割高のリブだったら、うまさどんだけ~?
でも「お食事 まるやま」の豚バラは
じゅうぶんにうまかった。

自宅で作る自分の味付けは
ニンニク少々、その3倍の生姜、
あとは生醤油と日本酒だけだが
当店はそこに砂糖の甘みが加わる。

具だくさんの味噌汁は豆腐・油揚げ・もやし。
新香がまた立派。
ひねたくあん・きゅうり浅漬け・
きゅうり&キャベツ塩もみ。
じゅうぶんな量である。

支払いは1700円也。
小学校時代に暮らした町内にでも行ってみよう。
前日と打って変わった猛暑日の炎天下を歩き出す。
エッ? 日傘?
あんなもん差すのは男の恥。
麦わら帽子でもかぶってなさい、っての。

「お食事 まるやま」
 東京都大田区大森北1-34-14
 03-3298-8659

2022年8月9日火曜日

第3076話 のみともさん いらっしゃい!

去年の秋、実生活に異変が起こった。
曲者の口車にハメられて
LINEというヤツに手を出したら
蜂の巣を突ついたような騒ぎ。
ヒドい目に遭った。

まっ、そのおかげで音信不通だった旧友と
レンラクを取り合うことも出来たんだガニ。
おっと、いけネ、またやらかした。
どうもカニグセがついちまった。

この日、15年ぶりで再会したのは
都立板橋高校の後輩・N々。
約20年前、グルメガイド執筆のため、
毎日・毎晩のように銀座に出没していた。

そのとき懇意になり、情報交換に努めたのが
クラブママのM子。
銀座でも10本の指に入る人気クラブである。
何たって日本中で一番美味いものを食べてるのは
銀座のホステスだからネ。
当時、N々はM子の配下の若手ホステスだったのだ。

俳優の松村雄基も板高の後輩で
J.C.より一回り下の卯年。
N々はそのまた一回り下の卯年。
3人揃って銀座で飲んだこともある。
3羽のうさぎが酌交に及んだのだった。

今回、N々の懐かしの便りもLINEを通じて。
金曜の昼下がり、御徒町駅前は吉池ビルの9階、
「吉池食堂」に上がった。
見晴らしがよく、居心地も快適で
女性とのランチスポットとして都内屈指である。

当夜、飲むダンナのために
ハンドルを握る予定の相方はソフトドリンク。
当方は当然のようにドライの中瓶。
久方ぶりのグラスを合わせた。

当店のイチ推しは北海飯。
ほぐした鮭&イクラ乗せごはんだが
特上を奮発するとカニ&ウニが加わるんだガニ。
これを食べたら誰しも舌鼓をポン、ポン、ポン。

あとは練辛子を添えた長茄子一本漬け、
ケチャップを添えたフライドポテト。
N々はデザートに移行していったが
J.C.はずっとビール。
2時間半で4本だからペースはスローだ。

話題はあちこちに飛んで尽きることがない。
そりゃそうだろう。
何かの弾みでダンナに紹介したいと言い出した。
「ダンナのお兄さんみたいになっていただきたいの」
「そうなのかい?」

結局は薬局、9月になったら
二人の愛の巣を訪れることにー。
たまたま住まいが同じ文京区、それも近所だしネ。
いずれにしろ、新たなのみともさんはウェルカム。
手駒が2枚も増えることになりました。

「吉池食堂」
 東京都台東区上野3-27-12御徒町吉池本店ビル9F
 03-3836-0445