この日も早く起き、佐賀市に向かう。
手前の鳥栖に立ち寄ると
J2サガン鳥栖の本拠とは思えぬほどに
レトロな駅が田舎に来たみたいだ。
驚いたのは駅舎に文字通り巣食う燕の巣。
ヒマに任せて数えてみたら20個以上あった。
糞害も半端じゃなかろうに
鳥栖市民は生き物を愛する人たちなんだネ。
帰京後、何気なしに鳥栖の ”栖” って何だ?
調べてみてびっくり、鳥の巣のことだとサ。
道理で燕がたくさん巣作りするワケだヨ。
駅の構内にある駅弁屋兼うどん店、
「中央軒」でかしわうどんの朝食。
昔、缶詰にまぐろフレークがあったが
あんな感じの鳥肉がうどんに乗っている。
甘い出汁にとまどいながらも食了した。
やることのない小雨の中、
駅そばの鳥栖市中央公園に行ってみた。
誰もいないけど大きな池があった。
ん? 何だアレは?
遠くで池面が波立っている。
気になって近づいてみた。
何と、50尾余りの鯉が
ウジャウジャ押しくらまんじゅう状態。
産卵&放精だろうか?
こんな鯉の群れを見るのも初めてだ。
不思議な町だよ、鳥栖の町はー。
長崎本線に乗り、鳥栖から佐賀へ。
ホテルのフロントで地図を貰い、
水路多き街を歩き始める。
松本清張原作の松竹映画、
佐賀市が舞台の「張込み」を観て
この街には憧憬を抱いてきた。
ようやく夢がかなったワケだ。
おっとりした佇まいが好もしい。
気持ちが安らいで、好きだなァ。
街一番の繁華街、愛敬町を往く。
まだ昼なので開いてる店は少ないが
飲食店よりスナック&ラウンジが目立つ。
市民は酒&飯より酒&女を好むようだ。
アーケードの白山商店街に到達。
”はくさん” ではなく ”しらやま”と訓ずる。
かつて小倉と長崎を結んだ幹線道路、
長崎街道の道筋に当たる。
「トネリコカフェ」が開いていた。
ご当地グルメのシシリアンライスが
ランチメニューにある。
ライスの上に生野菜が乗ったもので
食指は動かずとも試してみようかー。
カウンターに滑り込んだ。
ビールがないため、
アイスコーヒーとのセットをお願いした。
=つづく=
「中央軒 鳥栖駅店」
佐賀県鳥栖市京町729
0942-82-3166