2025年6月24日火曜日

第3825話 驚きの鳥栖 安らぎの佐賀 (その1)

この日も早く起き、佐賀市に向かう。
手前の鳥栖に立ち寄ると
J2サガン鳥栖の本拠とは思えぬほどに
レトロな駅が田舎に来たみたいだ。

驚いたのは駅舎に文字通り巣食う燕の巣。
ヒマに任せて数えてみたら20個以上あった。
糞害も半端じゃなかろうに
鳥栖市民は生き物を愛する人たちなんだネ。
帰京後、何気なしに鳥栖の ”栖” って何だ?
調べてみてびっくり、鳥の巣のことだとサ。
道理で燕がたくさん巣作りするワケだヨ。

駅の構内にある駅弁屋兼うどん店、
「中央軒」でかしわうどんの朝食。
昔、缶詰にまぐろフレークがあったが
あんな感じの鳥肉がうどんに乗っている。
甘い出汁にとまどいながらも食了した。

やることのない小雨の中、
駅そばの鳥栖市中央公園に行ってみた。
誰もいないけど大きな池があった。
ん? 何だアレは?
遠くで池面が波立っている。

気になって近づいてみた。
何と、50尾余りの鯉が
ウジャウジャ押しくらまんじゅう状態。
産卵&放精だろうか?
こんな鯉の群れを見るのも初めてだ。
不思議な町だよ、鳥栖の町はー。

長崎本線に乗り、鳥栖から佐賀へ。
ホテルのフロントで地図を貰い、
水路多き街を歩き始める。
松本清張原作の松竹映画、
佐賀市が舞台の「張込み」を観て
この街には憧憬を抱いてきた。
ようやく夢がかなったワケだ。

おっとりした佇まいが好もしい。
気持ちが安らいで、好きだなァ。
街一番の繁華街、愛敬町を往く。
まだ昼なので開いてる店は少ないが
飲食店よりスナック&ラウンジが目立つ。
市民は酒&飯より酒&女を好むようだ。

アーケードの白山商店街に到達。
”はくさん” ではなく ”しらやま”と訓ずる。
かつて小倉と長崎を結んだ幹線道路、
長崎街道の道筋に当たる。

「トネリコカフェ」が開いていた。
ご当地グルメのシシリアンライスが
ランチメニューにある。
ライスの上に生野菜が乗ったもので
食指は動かずとも試してみようかー。
カウンターに滑り込んだ。
ビールがないため、
アイスコーヒーとのセットをお願いした。

=つづく=

「中央軒 鳥栖駅店」
 佐賀県鳥栖市京町729
 0942-82-3166