2025年12月4日木曜日

第3942話 鹿児島の 海から揚がった 青ちびき

町中華「かさま」をあとにして
悠々と往く旧中山道・仲宿。
スーパー「ライフ」には
買いたい物が無くスルー。

「セーヌ」の鮮魚売り場で
珍しいサカナを見つけた。
青ちびきは辛うじて
名前を聞いたことがあるが
姿かたちをイメージ出来ない。

初めてのサカナに出逢えば
必ず買うことにしている。
皮を剥かれたサク状カット。
ちょっと見は黒鯛に似ている。
水揚げは鹿児島県だ。

10パックは並んでいたろうか、
一律500円だった。
何個かパックの右端をつかみ、
空中で軽く3~4回振ってみる。
重量を計るためにネ。
ずいぶん差があるな。
結局、一番重いのではなく、
一番見映えのよいのを買った。

帰宅後、様々なことが判明した。
図鑑を見るとスズキに似ている。
ただし、尾びれがより立派。
背びれも二段構えのスズキに比べ、
1枚がス~ッと延びている。

食味の評価はほとんど最高。
調理法も刺身はもとより、
塩焼き・煮付け・唐揚げ・
ソテー・ムニエルと多種多彩。
どうせなら2~3パック、
買えばよかった。

切歯扼腕、腕まくりして
スックと厨房に立つ。
まずは刺身に下ろす。
小片が2つ残った。

1つは生醤油&清酒を
同割りにしてヅケにした。
これはしばらく置いて
つけ焼きにする。
もう1つは塩・胡椒でバタ焼きだ。

まことに美味でありました。
繊細にして緻密。
コク味もじゅうぶん。
知名度の低さからか、
値付けが不当に低評価で
そのぶん消費者は
恩恵にあずかることが出来る。

スズキはフレンチで
ルー・ド・メール(海の狼)。
イタリアンならブランツィーノ、
あるいはスピゴラ。

仏人・伊人の大好物だ。
もしも彼らに青ちびきを
食わせることが出来たなら
欣喜雀躍すること請け合いです。

「SainE(セーヌ)よしや」
 東京都板橋区仲宿43-6
 03-3962-1591