朝から雨が降っている。
北の町屋か北千住。
南の日比谷か銀座。
濡れずに行けるのはそんなところ。
メトロ千代田線を日比谷で下車。
そこから地下道を歩き、東銀座に来た。
歌舞伎座の手前で地上に出ると
ロス・プリモスの久保チャンが歌い出す。
♪ 雨の銀座の 街角で
一人涙に 濡れながら
うそと知りつつ 待ちました
男ごころは 移り雨
女ごころの 古傷に
かけた情が うれしくて
うそと知りつつ 待ちました
恋の銀座は 小ぬか雨
濡れて待つ身の みじめさを
一目あなたに 見せたくて
うそと知りつつ 待ちました
女泣かせの 通り雨 ♪
(作詞:富樫政子)
このあと、にわか雨、涙雨と続くが
さすがにキリがないし、
浪花の小姑も堪忍袋の緒を
プッツンさせることになろう。
やめとこ、くわばら、くわばら。
黒沢明とロス・プリモスの小ヒット、
「雨の銀座」は1967年のリリース。
前年発表の、それもB面の、
「ラブユー東京」が予想だにしない、
大ヒットとなり、彼らはブレイクした。
それはそれとして以前も当欄で紹介した、
「レストラン早川」へ雨から逃れた。
老夫婦と息子だろうか?
三人体制である。
ハイネケンの小瓶と
気に入りのカツカレーをお願い。
コンパクトなサイズが
老頭児(ロートル)にはちょうどいい。
カツにカレーが掛かってないのも好印象。
柔かく揚がった薄めのロースが
6切れにカットされている。
ここは卓上のウスターソース。
特級ブルドッグの出番だ。
ルウには豚小間と玉ねぎ。
福神漬けは小皿に別盛り。
小瓶をお替りして美味しくいただき、
お勘定は2千円ちょうど。
銀座の真ん中でこんな良心的価格。
2.26事件が勃発した1936年創業の老舗を
他店もぜひ、見倣って欲しい。
「レストラン早川」
東京都中央区銀座4-10-7
03-3541-7664