麻布十番「ヴィノ ヒラタ」。
道往く人々を眺めながら
楽しむチェーナ(夕食)は
上々の滑り出しを見せた。
パーネがバスケットに
てんこ盛りで運ばれる。
おい、おい、こんなに
食べ切れないヨ。
グリッシーニ・フォカッチャ・
ゼッポリーニ・クロワッサン・
バゲットに、何というのかな、
真ん中に緑のオリーヴが
詰まったヤツまでー。
いずれも焼き上がりよろしく
オリーヴ油を必要としない。
仔牛の冷製・ツナソースが
出色の出来であった。
何でまた仔牛にツナ缶の
ソースなのか不思議だが
これは北イタリアの名物料理。
ピエモンテとロンバルディアの
境界辺りが発祥の地である。
肉系に魚介系を合わせるのは
イタリアでも非常に珍しく、
肉を茹でるのも極めて稀、
禁忌の重ね着がこの料理なのだ。
仔牛に目の無い J.C.は大好きで
NY時代は実によく食べた。
ヴィテッロ・トンナート。
イタリア語ではそう称する。
トンナートは
ツナ缶にアンチョヴィと
マヨネーズを合わせたもので
早い話がツナマヨだが驚きの美味。
ちなみにマグロの伊語がトン。
シャコのスパゲッティも好かった。
シャコもまた大好物だからネ。
産地を訊き忘れたが
おそらく瀬戸内と思われる。
6尾ほどのシャコに加え、
フレッシュのフルーツトマトと
バジルの葉があしらわれる。
さて、さて、注文の後半戦。
仔牛ラグーのパッパルデッレ
仔牛のサルティンボッカ
何とまあ、仔牛三昧と来たもんだ。
リボン状のパッパルデッレは
パスタの中で最も幅広。
歯応えがかなりあるために
魚介では負けてしまうので
十中八九、肉のラグーが使われる。
しかし、挽き肉になると、
仔牛の繊細さが薄れる気がした。
=つづく=