2023年4月14日金曜日

第3253話 若大将と紋次郎(その1)

この日は行方を定めず、メトロの人。
国会議事堂前で千代田線から
丸ノ内線に乗り換えた。
終点の荻窪へ行くか、
一つ手前の南阿佐ヶ谷で降りるかー。
終点まで乗った。 

南口方面をプラプラしていて
遭遇したのは「さんかく山」。
おにぎり屋である。
たまあにコンビニで買うことあれど、
専門店にはもう何年も足を踏み入れていない。
ここで会ったが三年目。おジャマしました。

おにぎりが主体なれど、定食仕立てが主流。
豚しゃぶや生姜焼き、
唐揚げやチキン南蛮とのコンビネーションだ。
ビール1本&おにぎり2個で
モア・ザン・イナッフの身には勝手が異なる。
翠富士に肩を透かされたよな気分。

今さらきびすを返すわけにもいくまい。
観念してカウンターに着席した。 
周りはほとんど女子。
イヤな予感を抱きつつ、
「ビールなんてないッスよネ?」 
「ええ、置いてないんですヨ」 

アチャー!
だから言ったじゃないの。
入りつけないとこに
飛び込むんじゃないヨ、ったく。 

おっ、鎌倉は建長寺由来のけんちん汁定食がある。
余計なおかずが付かないのもありがたい。
焼きたらこ、梅干しのおにぎりと
ともにお願いする。

通したあとで不図思い、
けんちんを半分に減らしてもらった。
結果的にこれが正解だったが
それでもお椀はフツーの味噌汁二杯分はあった。

小鉢の3点セットは
ナムルみたいな味付けのほうれん草、
炒り豆腐、ひじき煮。
新香が桜大根。
そして主役のおにぎりがドデカい。

それにしても近頃の女性は実によく食べる。
定食のおかずもけっこうなボリュームなのに
とてもじゃないが、ついてけないヨ。
「アナタについて来ていただきたいの」ー
なんて言われやしないけどネ。

=つづく=