「喜楽」という名の中華料理屋は
東京にかなりの数があるだろう。
有名なのは渋谷の「喜楽」で
道玄坂のストリップ劇場、
その真ん前に店を開けている。
J.C.が想いを寄せる「喜楽」は
JR大森駅そばのソレだ。
小学3年生のときに
母親と訪れてから早や65年。
今も心に残っているが
この1月に閉業してしまった。
淋しさだけが心に降り積もる。
それはそれとして本日の主役は
JR駒込駅にほど近い「喜楽」で
地番は北区・中里。
今年の初め、
フラフラ歩いていて遭遇した。
時期が時期だけに
大森の生まれ変わりでは?
と思ったほどである。
しかし行く機会に恵まれない。
というより、いつの間にやら
記憶から抜け落ちた。
初訪問は6月のことだ。
暑い日につき、冷たいそばを
たぐるつもりでいたが
生憎と駒込界隈は
日本そばの佳店に恵まれない。
そのとき記憶の彼方から
よみがえったのが
この「喜楽」というわけだ。
カウンター&テーブルで
30席はあるけれど
コロナの名残りか
客をキツキツに詰め込まない。
数分でカウンターに案内された。
ドライ大瓶を貰い、
冷やし中華のつもりでいたら
隣りのオジさんにソレが着卓。
ゲゲッ! あんなに食えないヨ。
冷たいビールのおかげか、
暑さも収まり、ラーメンの気分。
2杯目のグラスをクイッと
飲み干したときだった。
ぽんと背中を叩いた人がいる。
=つづく=