2022年2月2日水曜日

第2942話 文士村から俗人街へ (その1)

気まぐれJ.C.にも困ったものよのぉ。

北から南へ180度方向転換して

2カ月前に来たばかりの西馬込着。

その際も書いたが旧文士村は

今やその面影すら見出すことができない。

 

東急池上線・池上駅まで歩き、

界隈で止まり木を見つけるとしよう。

本門寺の東側の貴船坂を下り、

池上通りの堤方橋で呑川を渡る。

 

上流側の川面を見下ろした。

おおっ、ビックリしたなもう!

此処は野鳥の楽園かい?

目に飛び込んで来た鳥たちを数えた。

コサギ2、オオバン2、カワウorウミウ3羽。

そしてゴイサギにしちゃあ色の薄いサギが1羽。

 

しばらく見とれてしまった。

1羽のウが、たぶんボラだろう、

1匹のサカナを捉えて呑み込む姿も見られた。

さすが呑川だネ、ハハハ。

心なしか呑むとき、

「ウッ!」とうめいたような・・・まさか。

 

池上駅方面に歩を進める。

途中、いかにも昭和チックなストリートに遭遇。

クラシックな街燈がストレートに続いている。

惹かれて寄り道。

 

この通りはけっこうな距離があった。

駅からズンズン離れてゆくのは承知の上だが

気になってどうにも止まらない。

突っ切って初めてアーチに出会い、

この道が大城通りだと判ったけれど、

もう蒲田まで来ちまった。

 

此処で細い通りながら

行き交う人々多めの道筋を往くと

東京工科大の前に出たヨ。

前方にはJR蒲田駅の駅舎が見える。

 

酒が飲めれば池上だろうが蒲田だろうが

蒲いや、もとい構いやしない。

蒲田に来たら、ほぼ100%の確率で立ち寄る、

「三州屋本店」に向かい、

駅のエスカレーターを昇り降りして東口へ。

 

すると・・・わが目を疑いやしたネ。

辺りの建物が忽然と消えて更地になっていた。

駅前の一等地につき、大型再開発真っ只中なのだ。

忽然を前に呆然と立ち尽くす自分がいた。

ビルが建ったら再開業するのだろうか?

都内に数多ある「三州屋」の源流は此処なのだ。

 

はて、どうしたものよのぉ。

気落ちする目の前に1台のバスが停車した。

おおっと、大森行きじゃないか―。

蒲田がダメなら大森があるサ。

そそくさと乗り込んだのであります。

 

=つづく=