2022年2月24日木曜日

第2958話 中杉通りを ひとすじに

春色の天せいろを楽しみ、さて何処へ参ろう。

とてもじゃないが小瓶1本では身体が持たない。

単純明快なのは中村橋の隣り、

練馬駅界隈なら昼飲み可能店が雨後の竹の子。

 

しかし去年11月、練馬では二度飲んだ。

いくら練馬区のタイトルロールでも

練馬ばかりに集中しては他の町々に礼を失する。

取りあえず目と鼻の先の中杉通りを南下し、

区界を越えて中野区・鷺ノ宮を目指そう。

 

のんびりした商店街を抜け、鷺ノ宮到達。

だけど適当な酒場が見当たらない。

八幡橋から妙正寺川のか細い水流を

見下ろしながら思案していた。

 

川が殺風景な町並みにうるおいを与えている。

下流の駅、沼袋、中井周辺も同様だ。

西武新宿線沿いを付いたり離れたりして流れる。

妙正寺川と似たタイプの善福寺川は対照的。

JR中央線の線路に近づこうとしない。

水のない景色は味気ない。

 

橋の上に立ち、選択肢は二つ。

西武線沿いに2駅東の同区・野方か

中杉通りを直進して杉並区・阿佐ヶ谷。

真っ直ぐな性格のJ.C.は直進を択んだ。

 

15分歩いて早稲田通りにぶつかった。

ここから先は道幅が拡がり、

美しいけやき並木が終点の青梅街道まで続く。

落ち葉が厄介なプラタナスは

どんどん伐採されて消えゆくが

今のところ、けやきは安泰である。

 

阿佐ヶ谷着は15時。

南口に回って情緒漂う、

いちょう小路に来は来たが時間的にまだ早い。

北へ戻り「立呑風太くん」へ。

店のロゴはレッサーパンダの、あの風太くん。

本家は今も千葉市動物園に健在。

この7月には19歳を迎え、人間なら90歳超え。

もう立てないらしいから立呑みはムリだろうな。

 

当店は生がプレモル、瓶は一番搾りかラガー。

一番をもらい、焼き鳥はハツとタンドゥーリ。

それぞれ水準に達するも下町のレベルには及ばず。

黒ホッピーに切り替え、

中をお替わりして早々に退散。

女子カーリング準決勝を観るため、直帰した。

 

ゲームは4得点の第5エンドもさることながら

第9エンドを1失点でしのいだのがすべて。

逆転勝ちを確信し、笑いの出始めた、

スイスチームの笑顔が消し飛んだもの。

 

ん? 決勝戦? アレはしっかたなかんべサ。

敗軍のファン多くを語らず、である。

おめでと、銀メダル! 

ありがと、ロコ・ソラーレ!

 

「立呑風太くん」

 東京都杉並区阿佐谷北2-12-5

 03-3337-0370