2023年2月13日月曜日

第3209話 日比谷の八戸 ワンス・モア 

♪   津軽海峡 渡る船は
  横なぐり 横なぐりの雨
  も一度 も一度 やり直せるなら
  このまま このまま 引き返すけど
  もう遅い もう遅い 涙の海峡  ♪

吉幾三の「海峡」は’87年5月のリリース。
J.C.はその2ヶ月前にNYに渡った。

それはそれとして、心の内で津軽海峡を渡り、
「きたぎん!」から「8 base」にやって来た。
まっ、どちらも日比谷のJRガード下なんだけどネ。
町名こそ有楽町から内幸町に変われど、
同じ千代田区ではある。

生中を3杯飲んできたのでさっそく日本酒。
八戸酒造の八仙 ISARIBI 特別純米は
1合が1100円也と、
この手の物産館としては強気の値付けだ。
もうちょいと勉強してもらえるとありがたいネ。

お通しは小鉢二つ。
五戸・元祖コムラのなんばんみそを乗せた小冷奴。
これを田舎臭いと感じるか、牧歌的と思うかは
人それぞれ、J.C.はもちろん後者である。
もう一つは砕いた南部せんべい。
鯖の身肉を混ぜ込んだ白味噌が添えられる。
素朴な一品に八戸らしさが漂う。

高価なだけあって八仙はふくよかに味わい深い。
八戸名物・いちご煮(1350円)を通した。
海胆と鮑を一煮した潮汁である。
缶詰のそれとは別物の本場の風味が立ち上る。

言うなれば、アバローン(鮑)入り、
シーアーチン(海胆)チャウダーだ。
海胆の滋味あふれる濃厚なスープがたまらない。
軽い火の通しの鮑はアバローンだけに
アバレルくんだが歯の丈夫な人なら
噛みしめ感を楽しめる。

実はJ.C.、過去に一度だけ八戸を訪れた。
’90年のことで列島には
美空ひばりの「川の流れのように」が
流れまくっていた。

当時の恋人・E子が東京のアパートを引き払い、
ふるさとに戻ったので追いかけて八戸。
此処で
♪ 追いかけて 追いかけて ♪
と「雪國」はやらない。
「海峡」と「雪國」の連荘じゃ、
浪花の小姑もだまっちゃいまい。

八仙をお替わりして締めは八戸らーめん。
バラチャーシュー薄切り2枚、
シナチク、焼き海苔、ねぎはささがき。
中細ちぢれ麺に魚介系醤油スープ。
旭川の醤油と函館の塩の中間に近いが函館寄りだ。

八戸のすでに無き「板橋食堂」でE子と食べた、
ラーメンに心なしか似ている気もした。
E子だけに、いいコだった。
今、ほろ苦く思い起こされる。

「8 base」
 東京都千代田区内幸町1-7-1日比谷OKUROJI
 03-6807-5611