2023年2月15日水曜日

第3211話 えぞ鹿せいろと和牛モツそば (その2)

千駄木のそば処「弁慶」に居る。
和牛モツそばを食べてみたら、これがなかなか。
主役のモツは牛のシロコロである。。
腸壁に脂がビッシリ付着したシロモノだった。

どんぶりを彩るのは
3枚のレモンスライスにきざみねぎだが、
ねぎの背の背に揺られて揺れて
見え隠れするのがニンニクスライス。

塩味の日本そばは極めてまれ。
ニンニク入りの日本そばは
初めての体験じゃなかろうかー。
しかも生のスライスが7~8枚も。
あとは鷹の爪が散見されるばかり。
いや、おどろいたな。

翌〃日、再び弁慶と相まみえるJ.C.の姿を
千駄木の町にみることができた。
此度はえぞ鹿せいろである。
凝り始めるとハマる悪癖。
いつものことながら
近所だから可能な芸当だ。

えぞ鹿の部位は肩ロースかバラと推測される。
かなり脂身が付き、つけづゆにコクを与えている。
とは言え、鴨せいろと比べ、
けして鹿せいろが勝るというんでもない。

あえて蝦夷から鹿を取り寄せるんなら
津軽か南部辺りの鴨で
じゅうぶんじゃないのかな。

帰宅してこの稿を起こしかけたとき、
ふと思った。
ついでだから和牛モツラーメンもいっとこうかー。

翌日、三度(みたび)J.C.の姿を
「弁慶」で見ることができた。
ここまで弁慶と付き合うと
自分が義経になった気がしてくる。

そうしていただいたモツラーメンも悪くなかった。
薄い塩ラーメンながらこれはこれで良し。
ただし、モツそばのときには
いっぱいあったニンニクがホンの2,3枚に激減。
たまたまだと思われるものの、ちょいとばかり落胆。
よって、もつそばに軍配を挙げざるを得ない。

そんなこんなで短い間に仏の顔を三度も見たワケだ。
しつこく重ねるが昼めしどきのビールに
くだらん有料つまみはおやめなさい。
ハナからビールが安くないんだし、
こここそ”弁慶の泣き所”になってるネ。

「蕎麦人 弁慶」
 東京都文京区千駄木2-11-5
 03-5832-9233