2020年12月17日木曜日

第2548話 また御徒町に来ちまった

前話で大見得を切っておきながら

結局は薬局、またもや御徒町に来ちゃったヨ。

まっ、此処には御用達のフィッシュ・マーケット、

「吉池」があるから仕方ないんだけどサ。

 

当夜はマイ・ブレイクルーム「味の笛」に隣接する、

「佐原屋本店」の止まり木に止まった。

本店を名乗るからには支店があると思われる。

東神田(最寄り駅は馬喰町)の「佐原屋」が

支店なのか暖簾分けなのか定かでないが

店内の雰囲気、メニュー構成、定休日などから

無関係ってことはまずなかろう。

 

店内は常連でにぎわっており、年齢層が高い。

接客は女将、オバちゃん、オネバさんの3人体制。

調理担当はアンちゃん1人だ。

 

ビールはサッポロラガーの大瓶。

品書きにサッと目を通し、

“あれば頼む”の花わさびおひたし(400円)を―。

辛みがちょいと弱いものの、好きだなァ、コレ。

 

花わさび半ばで赤星はカラとなり、芋焼酎に移行する。

所望したのは鹿児島県・屋久島の三岳(みたけ)。

三岳は屋久島の三山、宮之浦岳、永田岳、黒味岳を指す。

コレも好きなんだ。

 

つまみをもう一品いっとこう。

かつお刺身、やりいか刺身、いわし刺身、しめさば、

さばくんせい、イカバター、トンカツ、カキフライ、

豚キムチなど、オール600円とアバウトだねェ、ジッサイ。

 

スプラウトニンニク天を見とめ、即刻オーダー。

新芽の出た根付きニンニクを丸ごと揚げたものだ。

酒場での出会いはまれながら

J.C.はこの出どころを知っている。

何のこたあない「吉池」地下の野菜売り場。

自分もときどき買ってるからネ。

 

フリット風の若ニンニクが山ほど現れた。

1杯の焼酎ロックにはいかんせん多すぎる。

持て余していたらオネバさんが見かねて

「お持ち帰りしますか?」

「ああ、そうだネ、お願い!」

 

2400円の会計時、オネバさんから手渡されたのは

ハハハ、「吉池」のレジ袋じゃないか―。

生で来たのが揚げられて再び同じ袋に入れられるとは

夢にも思わぬヤング・ガーリックだったことでしょう。

 

「佐原屋本店」

 東京都台東区上野5-27-5

 03-3831-6388