2012年2月23日木曜日

第258話 伝通院でイタリアン (その1)

昨日はパソコン不具合のため、
稿のアップが遅れてご迷惑をお掛けしました。
ごめんなさい。
先日のような書き忘れではありませんから念のため。

1月末にしては生暖かい夜。
グルメ軍団を自称するSKYAMKOの食事会である。
会場となったレストランは
文京区・小石川のイタリアン、「チッタ・デルタ」だ。
現地集合の19時にはずいぶん時間があり、
ヒマ人のJ.C.は独り、行きがけの駄賃を物色中だった。

文京区役所のあるシビックセンター近くに
「丸八本店」なる居酒屋を見つけて敷居をまたいだ。
“アタリ”の直感はなくとも
“ハズレ”はなかろうという自信はあった。
小一時間をつぶすに恰好の身の置き所と見えたのだ。

ビールはサッポロのラガー、いわゆる赤星。
以前は懐かしさにもあと押しされて
“あれば頼む”を実践していたが
ある折に黒ラベルと飲み比べて唖然とした。
文句なしに黒ラベルのほうが上だった。
そりゃそうだよ、造り手だって赤星のほうが旨けりゃ、
主力を替えずにずっと造ってりゃいいんだから―。

でも、嫌いではないからいただきました。
突き出しに河豚皮の煮こごりが2切れ出たが
別段どうということもなく、
あとにイタリア料理が控えているので1つ残した。
こりゃハズしちまったかな?

つまみはうなぎ小串と肝焼きを1本ずつ。
これが思いのほかよかったので気を取り直し、
太平山の燗をお願いした。
この手の店で上燗と言っても通じないから
熱燗とぬる燗の中間で、とお願いすることにしている。
ところが店によっては「難しいこと言うわね」などと
不快感をあらわにする女将がいたりもするのだ。
誰が決めたか知らないが、なぜ中燗と命名しなかったのか!
それなら広く人口に膾炙したであろうに―。

目の前にあるスカスカのネタケースには
冴えないスズキが身を持てあまし気味。
しかし、品書きには活スズキ刺しとあった。
おい、おい、そいつはどうあっても
“看板に偽りあり”だろうぜ。
ここへきてやはり当店はハズレに近いな、
そう思ったことだった。

春日の交差点から富坂を上ってゆく。
目当てのイタリアンは坂上の伝通院前にあるのだ。

=つづく=

「丸八本店」
  東京都文京区小石川1-4-14
  03-3814-0808