2022年6月13日月曜日

第3035話 背中を押した ちばてつや

 久々に活気ある道筋を歩きたく思い、
江東区の砂町銀座にやって来た。
そろそろランチにしよう。
通り中ほどの「銀座ホール」は何度か利用した。
居心地は良いものの、
料理がイマイチだったので今回は見送り。

その東寄りに「永昌園」なる中国料理店。
店頭のメニューと写真を見る限り、
そこそこ本格的である。
チャーシューメンに目が留まった。

実はこの数日前、
ビッグコミックをパラパラやった。
イの一番に目を通すのは「ゴルゴ13」。
連載開始以来の長いつき合いだ。

そして二番目が巻末の「ひねもすのたり日記」。
ちばてつやが日常雑感を描いたものだ。
その回は彼がゴルフを始めた頃のエピソードで
ナイスショットの秘訣は”チャー・シュー・メン”。
このリズムがいいんだそうだ。

チャーで始動し、シューでトップ、
メンで振り下ろす。
ゴルフ漫画「あした天気になあれ」で紹介されたが
リアルタイムで読んだ。

彼の作品では推しも推されもせぬ代表作、
「あしたのジョー」より、
キャリア初期の「ちかいの魔球」と
「紫電改のタカ」が好きなのだ。
あとは「のたり松太郎」だネ、やっぱり。

てなこって、ちば先生に背中を押され、
今日の昼めしはチャーシューメンでキマリ。
写真をよくよく見ると、
焼き豚を彩る薄っすらピンクの紅麹がいいねェ。

この春は告別式に墓参りと、
黒い縁取り系に見舞われた。
気の滅入りを解消するため、
赤い縁取り系に飢えていたこともあろう。

ドンブリにはやや厚めの肩ロースが5枚。
あとはシナチクと小松菜。
しなやかな麺にスープがやさしい美味しさ。
酢を回しかけてさらに好くなり、
ほとんど飲み干すに至る。

ドライの中瓶と合わせ、1315円を支払い、
オモテに出ると店頭で
シャーピン(中華風おやき)を焼いていた小姐が
「ありがとうございましたァ!」
「おう、精が出るネ、ごちそうさま」

もう一度、砂町銀座を往ったり来たりしてから
どこぞに移動するとしましょう。

「永昌園」
 東京都江東区北砂3-36-19
 03-3649-3738