2023年7月6日木曜日

第3312話 タイのレディーと 歩く鎌倉 (その1)

数日後、東京駅で待ち合わせた二人。
JR横須賀線の乗客となった。
およそ1時間で鎌倉駅に到着。
江ノ電に乗り換えた。

この小旅行のきっかけは
今が季節のあじさいを
アンナが見たいと言い出したため。
あじさい寺なら北鎌倉の明月院だが
鎌倉在住の友人によれば
成就院がおすすめとのこと。
極楽寺駅で下車した。

駅から歩いて数分。
院の裏口から坂を上っていった。
期待したほどのあじさいではなかったが
それなりに楽しめた。
相棒は写真を撮りまくっている。
ついでにツー・ショットもパチリ。

表玄関に降りていったが
階段とスロープをミックスした坂は歩きにくい。
途中でよろけてしまった。
アンナすかさず、
「J.C.、酔っぱらい?」
「何を言うとるんだ、キミは!」

まっ、なつきの良いコだから
釣れ歩いても楽だし、楽しくもある。
ずうっと坂を下りて
大仏のおわす高徳院に向かった。

人の流れに誘われてついていったら
どうも様子がおかしい。
入場券を買い、入ったものの、
此処は長谷寺じゃないかー。

まあ、いいや、ついでだから拝観していこう。
ところがこれが怪我の功名。
本殿脇のテラスが絶景と来たもんだ。
眼下に由比ガ浜が一望に見渡せる。

当方、地元の鎌倉ビール。
相方、瓶のコカコーラで一息ついた。
眺めがいいのと心地よい涼風のおかげで
ビールのお替わりクンと相成った。

あらためて大仏さまのお膝元へ。
何度かご尊顔を拝しているが
初めて訪れたのは小学五年生の春の遠足。
今でもそのときの記念写真があるんだが
雨にたたられてみんな濡れそぼっている。

雨合羽なんかマシなほうで
仲の好かった山口クンなんざ、
和手ぬぐいの頬かむりと来たもんだ。
ハハハ、まるでチビッ子の泥棒だヨ。

=つづく