2023年7月28日金曜日

第3328話 銀座になじみが出来ました

E美子の店は8丁目のビルの5階。
カウンター5席にボックスが2卓、
小さな店である。
ロス・プリモスの1曲が脳裏をよぎる。

♪   ご無沙汰しました 三年ぶりね
  ペンを持つ手が 
  震えています 震えています
  このたび 横浜関内に
  小さなお店を もちました
  昔のよしみに おすがりします
  力になって いただきたいの  ♪
   (作詞:星野哲郎)

1978年リリースの「小さなお店をもちました」。
昔のよしみにすがられはしなかったが
オレたちにピッタリの歌詞じゃないかー。

ドアを引いたら先客はボックスに1組。
初老のご夫婦と思われた。
二人とも酒は一切飲まずに歌うだけだという。
そう、此処にはカラオケがあり、
バー「魔里」とおんなじだ。

なるほどカップルの前には仲良く、
コカコーラのグラスが並んでいた。
何でも食事を済ませた階下の店の紹介で
5階まで上がってきたそうだ。
以来、常連さんになった由。

ご祝儀代わりにちょいと奮発して
ヘネシーVSOPのボトルをキープ。
「魔里」でもずうっとコレだったがネ。
あの頃は水割り、今は炭酸割りである。
コニャック好きのE美子は水割りだ。

ほどなくカラオケが始まった。
交代で島倉千代子のナンバーを歌っている。
「ウサギさんチームもどうぞ!」と振られ、
「それでは」とこちらも千代子のデビュー曲、
「この世の花」で応えた。
実はこれしか歌えないんだけどネ。

居心地の好い店で一安心。
後客も一人入ってきた。
「魔里」時代からの常連だというが
タイム・ギャップのせいで見たことはない。

J.C.は当コラムにおいて
バー、スナック、クラブに関しては
つまびらかにすることを避けてきたが
当店だけはベツ。
♪ 力になって 差し上げたいの ♪
てな感じ。

以前のように通えはしなくとも
月に一度は顔を出すことにしよう。
銀座になじみが出来ました。

「Cape jasmin」
 東京都中央区銀座8-5-9 民友ビル5F
 03-3573-5531