2023年9月13日水曜日

第3361話 サラマンカが胸に響いて (その3)

それはそれとして、S織のバースデイ。
まずはエストレージャ・ガリシアの生で乾杯。
ワインは前回の訪問時に頼んであった。

リオハのテンプラニーリョ100%。
ラモン・ビルバオ リミテッド・エディション ’18。
これを当日の24時間前に抜栓、
そしてデキャンタージュを済ませるよう、
お願いしてあった。
角が取れてまろやかな味わい、満足である。

最初にタパスを数皿。
スペイン料理屋では必注のボケロネス。
いわゆるイワシの酢漬けで
本場ではカタクチイワシが重用されるが
本邦では真イワシが多い。
当店もご多分にもれず、それでも美味い。

モハマはカラスミの盛合わせ。
ボラ・マグロ・紅ダラの3種だ。
普段、国産のソレに馴染んでいるだけに
ボラが一番好かった。

続いてはハモン・イベリコ。
ハム・ソーセージ・サラミの類は
パンがないともの足りなさが残る。
空輸されてくるスペインのバゲットをお願い。
これが実にけっこうだ。
白く細く密度の高いパンはフランスのものとは
異なる魅力に満ちていて、即お替わり。

ハモンも素晴らしい。
コク味がイタリアのプロシュートに大きく勝る。
今まで食べて来たうち、ベスト3の一品だった・

そして本日の主役はサルスエラ。
イタリア・オペラとほぼ同じ歴史を誇る、
スペイン・オペラがサルスエラ。
セリフがイタリア物より多く、
音楽と舞踏入り乱れてゴチャゴチャ。
そんなごった煮感満載の魚介の鍋である。

フランスのブイヤベース、イタリアのカチュッコ、
ベルギーのワーテルゾーイに並ぶ、
欧州の四大寄せ鍋だ。

渡り蟹、赤海老、真鯛、帆立、烏賊、
ムール貝がふんだんに使われ、
立ち上る香りは紛れもなくサフラン。
残ったスープをリゾットにしたかったが
その前に飲み干しちまった。
相方の食欲も旺盛、もう、どうにもとまらない。

店主はスペインの血を引くベネズエラ人。
パートナーとサラマンカのバルで食事した際、
いつか自分の店を持ったら店名を
「SALAMANCA」にしようと決めたそうだ。
よくぞ、そうしてくれました。
ムーチャス・グラシャス!

=おしまい=

「SALAMANNCA」
 東京都千代田区神田須田町1-3
 03-6260-7303