2024年1月10日水曜日

第3446話 とげぬきで 棘を抜かずに 息を抜く

陽光うららかな昼下がり、巣鴨地蔵通りを歩む。
萬頂山高岩寺、通称とげぬき地蔵前の通りだ。
朝は紅茶だけだったので空腹感はあるが
1軒でガッツリ食べる気にはなれない。
2軒は立ち寄りたい。
とげぬきで棘を抜かずに息を抜くつもりなり。

通りを北上して都電荒川線・庚申塚に到達。
ここでUターンし、目星をつけた店へ戻る。
1軒目は「巣鴨ときわ食堂 庚申塚店」。
高岩寺はす向かいの本店は母親、
こちらは息子が取り仕切る。

ドライ大瓶を飲みつつ、メニューをながめる。
当店の名代でありながら
未食の海老フライ(510円)を1尾だけ通した。
タルタルソース(90円)を付けてもらう。

J.C.はここのタルタルが好きで
そのままつまみにしたり、
味変用にきゅうりの一本漬けにも添える。
初めて食べる大ぶりの海老はなかなかだが
それほどの逸品とも思えない。
タルタルをお替わりし、
ビール1本で切り上げた。

そのまま地蔵通りを南下してゆく。
2軒目は「みょうが屋」。
食堂兼居酒屋である。
ドライ中瓶と3個付けのかきフライを通す。

さっきの海老との食べ比べだが、かきに軍配。
これはどちらが旨いかの問題じゃなく、
単に海老より、かきが好きなだけ。
子どもの頃からずっと変わることがない。

「みょうが屋」の二枚看板は
もつ鍋と半田そうめん。
どちらかいっておきたい。
独り身に鍋は持て余す。
そうめんのすだちぶっかけをお願いした。

半田素麺は徳島県美馬郡旧半田町の特産で
ルーツは奈良の三輪そうめん。
冷や麦ほどの太さがあり、強いコシが特徴である。

どんぶりいっぱいに広がる、
すだちの輪切りを数えてみたら12枚もー。
うち3~4枚は食べちまったヨ。
主役のそうめんも美味しくいただいた。
朝飯を抜いた甲斐があったというものです。

「巣鴨ときわ食堂 庚申塚店」
 東京都豊島区巣鴨4-33-2
 03-3576-2269

「みょうが屋」
 東京都豊島区4-29-1
 03-5944-5900