2024年1月31日水曜日

第3461話 洗足池のほとりのビフカツ

前夜、ベッドに入って眠りに落ちるまで
(明日はどこに行こうかな?)
思いを巡らせていた。
そうだ、城南にしよう。
目黒・品川・大田・世田谷あたりが城南である。

JR山手線に乗って五反田。
東急池上線に乗り換え、大田区・洗足池に到着。
駅舎の前に日蓮聖人が足を洗ったという、
洗足池が水をたたえている。

洋食店「クメキッチン」は
駅と池の間を走る中原街道沿いにあった。
カウンターは使われておらず、
テーブル5卓ほどの小体な店舗である。

窓際の2人掛けに座り、
生ビールは有難迷惑のアサヒ熟撰。
仕方なく注文して
普段めったに食べないビフカツをお願い。
何年ぶりか、まったく記憶にない。

首都圏ではポピュラーじゃなくても
関西だと、とてもよく食べられるビフカツ。
浪花の小姑・らびちゃんも日頃、
とんかつ代わりにビフカツを食ってんのかな?

洗足池のビフカツは不出来であった。
デカいばかりでちっとも旨くないんだ。
とんかつのミルフィーユほどではないにせよ、
薄切りを何枚か重ねて揚げられている。
付合せは繊キャベ、きゅうり、トマト、ポテサラ、
ケチャスパで、カツにひたひたのデミグラス。
このソースだけはレベルが高かった。

教訓。
汝、食べつけないものを注文するなかれ。
思いつきで洗足池まで来は来たが
やみくもに遠出する行動からは足を洗おう。
洗足しちゃおう。

食後、せっかく来たので池へ。
ボートハウスの屋上に上がり、全景を臨む。
絶景とはいかないまでも
佳景であることに間違いはない。

池のほとりを歩む。
キンクロハジロとオナガガモが泳ぐが
毎週訪れる上野不忍池に比べたら
数はグッと少なく4分の1程度だろうかー。

洗足池を北に抜け、大岡山駅に向かう。
目黒線で多摩川か、大井町線で尾山台か、
二者択一の心境でした。

「クメキッチン」
 東京都大田区上池台2-30-3
 03-6421-9517