ここ数年、夏になったら恒例の
「弁天山美家古寿司」。
相方も毎度のことにT子サン。
彼女の誕生日が八月で
その前後、あるいは当日に赴く。
お歳のせいか、五代目の姿なく、
六代目の真ん前に陣取った。
ドライの中瓶を注ぎ合いカチン。
いつも通りにチョコンと出たのは
まぐろ血合いの角煮。
さっそく握って貰う。
毎年、鮨種も食べる順番も
ほとんど一緒。
二人して同じものを1カンづつ、
2種同時にお願いして往く。
最初の平目昆布〆を箸でつまむと
酢めしがバラけた。
握り方が柔らかいのだ。
めし集めに箸を動かしていたら
平目が再び目の前に置かれた。
「ん? どしたのコレ?」
「リベンジですっ!」
そういうことかー。
今度は固めに握られていた。
今は亡き四代目を語りながら
いただいたものはかくの如し。
ヒットには〇、
クリーンヒットには◎を付けた。
〇平目昆布〆・さより・真鯛・
◎酢あじ・〇小肌・新いか・
平貝・〇車海老・しゃこ・
煮いか・〇かつお・玉子・
◎穴子下半身・◎穴子上半身
14カン、いや、15カンを堪能。
酢あじは初訪問の47年前から
まったく変わらぬシゴトぶり。
穴子にはあらためて日本一、
いや、世界一の折り紙を付けたい。
「今日はあまり食べられないの」
「あれ? どうして?」
「これから『志婦や』なんでネ」
「あゝ、よろしく言って下さい」
「志婦や」の若女将は
中学校で六代目の二年後輩。
大将は六代目妹と同級生なのだ。
実は J.C.、この二日前にも
「志婦や」を訪れている。
その際にあとで寄る旨を伝え、
上手いこと席を融通するよう、
お願いしてあった。
予約を受け付けない店なのにー。
鮨屋のあとにつき、
生モノは回避して厚揚げと
しらすおろしで飲み直す。
大女将が丁寧に焼き上げる、
厚揚げもまた世界一なのでした。
「弁天山美家古寿司」
東京都台東区浅草2-1-16
03-3844-0034
「志婦や」
東京都台東区浅草1-1-6
03-3841-5612