2025年9月1日月曜日

第3874話 今年の夏も「美家古寿司」

ここ数年、夏になったら恒例の
「弁天山美家古寿司」。
相方も毎度のことにT子サン。
彼女の誕生日が八月で
その前後、あるいは当日に赴く。
お歳のせいか、五代目の姿なく、
六代目の真ん前に陣取った。

ドライの中瓶を注ぎ合いカチン。
いつも通りにチョコンと出たのは
まぐろ血合いの角煮。
さっそく握って貰う。
毎年、鮨種も食べる順番も
ほとんど一緒。
二人して同じものを1カンづつ、
2種同時にお願いして往く。

最初の平目昆布〆を箸でつまむと
酢めしがバラけた。
握り方が柔らかいのだ。
めし集めに箸を動かしていたら
平目が再び目の前に置かれた。

「ん? どしたのコレ?」
「リベンジですっ!」
そういうことかー。
今度は固めに握られていた。

今は亡き四代目を語りながら
いただいたものはかくの如し。
ヒットには〇、
クリーンヒットには◎を付けた。

〇平目昆布〆・さより・真鯛・
◎酢あじ・〇小肌・新いか・
平貝・〇車海老・しゃこ・
煮いか・〇かつお・玉子・
◎穴子下半身・◎穴子上半身

14カン、いや、15カンを堪能。
酢あじは初訪問の47年前から
まったく変わらぬシゴトぶり。
穴子にはあらためて日本一、
いや、世界一の折り紙を付けたい。

「今日はあまり食べられないの」
「あれ? どうして?」
「これから『志婦や』なんでネ」
「あゝ、よろしく言って下さい」

「志婦や」の若女将は
中学校で六代目の二年後輩。
大将は六代目妹と同級生なのだ。
実は J.C.、この二日前にも
「志婦や」を訪れている。

その際にあとで寄る旨を伝え、
上手いこと席を融通するよう、
お願いしてあった。
予約を受け付けない店なのにー。

鮨屋のあとにつき、
生モノは回避して厚揚げと
しらすおろしで飲み直す。
大女将が丁寧に焼き上げる、
厚揚げもまた世界一なのでした。

「弁天山美家古寿司」
 東京都台東区浅草2-1-16
 03-3844-0034

「志婦や」
 東京都台東区浅草1-1-6
 03-3841-5612