2011年10月7日金曜日

第157話 近頃ハテナの神楽坂 (その2)

神楽坂の中腹にある「ル・ロワズィール」を
最後に訪れたのは2007年3月。
したがっておよそ4年半ぶりの再訪になる。

この店は原則、年中無休。
神楽坂はある意味、週末が稼ぎどきで
土・日を開ける代わりに月曜休という店が少なくない。
カガクくんを伴ったのもお盆のど真ん中、
ほかの街ならほぼ全滅という日柄であった。

以前は3675円と5250円の2種類だったプリフィクス。
今回は2625円のエコノミークラスが設定されていた。
やたらにビストロやブラッスリーの多い街だから
競争が激化して価格の見直しを迫られたのかもしれない。
もちろん、一番安いヤツを2人前でゆく。

こちらはビール、相方はカンパリソーダで乾杯。
下戸を相手にフルボトルはキツく、
コート・デュ・ローヌのカラフェ(500ml)をお願い。
セパージュはサンソー(エルミタージュ)100%。
シラーがまったく含まれていないから
同じローヌでも北部ではなく、南部の産であろう。
この程度のワインで、しかもフルボトルの2/3で
3360円の値付けはかなり高めながら、致し方あるまい。

ヒドい店になると東京電力みたいなあくどいマネをするから
まだまだ許容の範囲内。
あっ、そうだ!ここで突然、東電の悪業を思い出した。
思い出したが3年目、このことは来週にでも書こう。

前回はあった仔牛の料理が失せていた。
失意のもとに2人で選んだのは
前菜が
乳呑み仔羊の冷製(これが仔牛だったのだ)。
小海老&生ハムのサラダ。
どちらも大量のムスクラン(ベイビーリーフ)が添えられている。
主菜は
仔羊のナヴァラン(煮込み)、
塩漬け豚のプレ・サレ(長くなるのでググッてください)。
温かい主菜には当然のことながら温野菜の付合わせ。


バターを塗ったバゲットと一緒に味わってみた結果。
4年余りの星霜を経て満足感は激変。
もちろん悪いほうへだ。
カガクくんの眉毛も8時20分を指している。
(フレンチ食いたいと言ったのはオマエだろうが!)
口には出さず、グッと言葉を飲み込んだ。

フランス人住民の増加とともにフレンチが急増した神楽坂。
店の数は増えても質は一向に上向かない。
そう言やあ、本場パリのレストランも
進化どころか退化を辿る一途だものなァ。
この程度で満足してるフランセーズは大したことないねェ。
よってますますJ.C.の足は
この花街から遠ざかるのでありました。

「ル・ロワズィール」
 東京都新宿区神楽坂3-2
 03-3266-0633