2011年10月10日月曜日

第158話 バターはどこへ消えた?

自宅近くのスーパーにバターを買いに行ったら品切れ。
雪印も明治も森永も全滅で棚はスッカラカンのカンである。
そのくせマーガリンだけは
高級ホテルのモノも含めてあふれ返っている。
何か変ンだなァと思いつつ、翌日出直したら以前品切れ。
こいつは明らかにオカシい。
10年ほど前に
「チーズはどこへ消えた?」という本がベストセラーになったが
バターはいったいどこへ消えた?

でもって店員に訊ねてみると、返ってきた応えは
「このところバターの供給が不安定なんです。
 入って来ても30個くらいでお昼前には売切れちゃいます」―
ふ~ん、そうであったのか。
こちとら午前中から
スーパーで買い物する習慣は持ち合わせてないしなァ。

バターの品不足はほぼ毎年のようにやって来る。
牛乳の供給過剰を目の当たりにした国が
数年前から乳牛の数を減らし、
生乳を減産するよう指導したことに起因するのだろうが
今年は殊さらヒドい。

自然現象に大きく左右される農・水産物ならまだしも
加工製品のバターがこの有様では
一般家庭はもとより、製菓業や洋菓子店、
学校給食はたまったものではなかろう。

でもって調べてみると、
①去年の猛暑で乳牛の繁殖力が落ち
  仔牛の数が減ったために母牛の乳の出が激減
②原発事故の影響で大量の原乳を廃棄処分
③もともと利益率の低いバターに回される原乳は一番最後

以上の原因が浮かび上がった。

原因は判明したが実際問題として
この窮地を何とかしのがなければならない。
子どもの頃から根っからのバター好きにつき、
マーガリンではクソの役にも立たないのだ。

思案投げ首の末、ふと思い出したのは
これもまた自宅近くのうらぶれた八百屋だ。
確かあそこの商品棚には
雪印の北海道バターが2ツ3ツ並んでいたハズ。
あってくれヨと念じつつ、出掛けてみると、
ヘッヘッヘ、ありやした、ありやした。
ことほどさように記憶力は身を扶けるのである。

バター不足といえば、大震災の直後を思い出す。
あの時期、棚から消えたのは
米・パン・ヨーグルト・納豆が真っ先。
次いでカップ麺・バター・玉子あたりじゃなかったかな?
ただ、品薄になっても大幅値上げなんてことはなかった。
パンやヨーグルトの特売日は廃止されたけど、
震災をダシにして儲けようなんて店もメーカーもなかった。

それがネ、それがですヨ、
世の中にはとてつもないワルがいるんですなァ。
ワルなんてモンじゃない、巨悪ですヨ、巨悪!
しかもそいつが諸悪の根源。
そいつはいったい誰なんだ!ってか?
言わずと知れた東京電力、この野郎はトンデモなく悪い。
明日はそのハナシをお届けします。