2011年10月14日金曜日

第162話 三菱を食っちゃいました!

はて? これはいったい何でありましょうか?

Qu'est-ce que c'est (ケス・ク・セ)?

日本狭し、もとい、広しといえども
この写真を見ただけで
この物体の何たるかを識る人はそう多くはないハズだ。

人間は考える葦である。
写真は食べられる菱である。
菱?
何じゃソレ? ってか?
菱ですヨ、ヒシ。
菱形の菱、菱餅の菱、まき菱の菱。
実はこれ、水生植物の菱の実なんです。

根津神社の裏手にある坂は根津裏門坂。
神社の真裏には日本医科大学付属病院がある。
尿管結石の小沢一郎が担ぎこまれたのがここだ。
坂を降りきると不忍通りだが
同時に千駄木本通り商店街とも呼ばれている。
散歩の途中、この商店街の青果店で菱を見つけた。
福岡のJA全農が出荷したもので
ここで会ったが三年目、すかさず買い求める。
確か1袋498円だったかな?

上の写真じゃよく判らんので皿に並べてみた。

三菱グループのロゴを真似て

じっくり眺めたものの、別に菱形はしていない。
むしろ忍者の使うまき菱に近い形状をしている。
調べてみると葉のカタチが菱形とのこと。
そしてまた菱の実を上からではなく、
横から見ると菱形に見えるそうだが
食べてから知ったので後の祭りもいいところ、
プロフィール(横顔)は拝んじゃいない。

同封のチラシには
水に浸してアク抜きしてから茹でろとあった。

最初の一口は興味津々

何やらほっこりと、栗の実に似ている。
ただし、甘みと色は栗よりだいぶ薄い。
奈良時代の食べものみたいだな、というのが第一感。
どことなく万葉集の味がした。
万葉集の味って何だ?と問われても答えに窮するが
感覚的に理解していただきたい。

デリケートな味覚がわりかし気に染まり、
結局、三菱どころか六菱も七菱も食っっちゃった。
とにかく珍しい代物につき、
どこぞで見掛けたら迷わず購入することをおすすめしたい。

ところでヒシクイというガンの仲間をご存知だろうか。
好んで菱を食べるところから菱喰の名前が付いた。
アリを食う獣がアリクイ、ヒシを食う鳥がヒシクイ。
1袋の菱の実でいろんなことを学んだJ.C.、
いくつになっても毎日が勉強でありますな。