2014年5月13日火曜日

第836話 真夜中のテニス

今は昔、「真夜中のテニス」なるTVドラマありけり。
主役の外国為替ディーラーを演じたのが
名取裕子ということは覚えているけれど、
他の配役やドラマの筋書きはほとんど忘却の彼方に消えた。
チェックしてみたら相手役は宅麻伸。
脇には設楽りさ子や江戸はるみ(現・エドはるみ)の顔も見える。
放映は1990年のことだった。

当時はニューヨークに在住。
それでもリアルタイムで観れていたのは
キー局がNHKだったからだろう。
彼の地に民放は入らなかったからネ。

あの頃よく、日本の トレンディー・ドラマを
貸しビデオ屋から借りてきて楽しんだ。
それも初回から最終回まで十数本まとめて仕入れ、
週末の二日間を丸々費やし、一気に観了していた。

今も記憶に残る懐旧の作品たちは
「ニューヨーク恋物語」、「101回目のプロポーズ」、
「恋人も濡れる街角」、「眠れる森」あたりだろうか。
殊に「ニューヨーク~」はPart2も含めて
舞台が舞台だけに強いインパクトを現地で受け止めた感あり。

先の週末。
こちらはドラマではない”真夜中のテニス”に翻弄された。
土・日ともにほぼ徹夜だ。
おかげで明くる日は生あくび連発の巻である。
まったくもってイヤになっちゃう。

主役は言わずと知れたマドリード・オープンの錦織圭。
とりわけ土曜の夜(日曜未明)のプレイぶりはスゴかった。
第3セットのデュースは及ぶこと10回、
マッチポイントも9回目を数えたかな?

とにもかくにもテニスの醍醐味をこれほど堪能したのは初めて。
当然、翌夜の決勝、ナダル戦も見逃すわけにいかなかった。
結果は周知の通り、錦織の惜敗なれど、
あの試合でハッキリ証明されたことがある。
クレーコートの王者は
もはや世界ランク1位のラファエル・ナダルではない。
錦織圭で衆目の一致を見るのではないか。

腰痛だか股関節痛だか、詳しくは知らないが
レシーブに走ったときにやっちゃったあのダメージが
あと30分遅れで来てくれたならば・・・
今さら蒸し返しても愚痴に過ぎないが、
間違いなく錦織の圧勝であったネ。

しかし彼はちょっと観ない間にトンデモない成長を遂げていた。
今後、クリアすべき難敵はただ一つ。
対戦相手のフィジカルでもなく、おのれのメンタルでもない。
自分の下半身のメディカル、それだけなのだ。