2014年5月16日金曜日

第839話 懐かしの有楽町「そごう」 (その1)

四月の中旬のこと。
パラパラめくっていた、ひかりTVガイドに
以前からずっと、観たいと思っていた映画を見つけた。
タイトルは「有楽町で逢いましょう」。

チャンネルNECO+HDで、朝の6時から放映されるじゃないの。
欣喜雀躍し、手を打って歓んだ次第である。
先話をお読みいただいた方なら判っていただけようが
流行歌の「有楽町で~」については語り終えた。
此度は翌昭和33年に封切られた映画「有楽町で逢いましょう」だ。

当日は午前9時からヒトと会う約束があった。
それを1時間先送りにして、TVの前に座った早い朝だった。

  ♪ 北風吹きぬく 寒い朝も
   心ひとつで 暖かくなる
   清らかに咲いた 可憐な花を
   みどりの髪にかざして今日も ああ
   北風の中にきこうよ春を
   北風の中にきこうよ春を  ♪
      (作詞:佐伯孝夫)

こちらは早い朝ならぬ、「寒い朝」。
吉永小百合とマヒナ・スターズが歌った。
この曲がヒットしたのは昭和37年。
J.C.は小学5年生で江東区・古石場にいた。

昭和37年は歌謡曲の当たり年。
ヒットした曲名をザッと挙げると、

「江梨子」(橋幸夫)、「星屑の町」(三橋美智也)、
「若いふたり」(北原謙二)、「可愛いベイビー」(中尾ミエ)、
「恋は神代の昔から」(畠山みどり)、
「いつでも夢を」(橋幸夫・吉永小百合)、
「遠くへ行きたい」(ジェリー藤尾)、「なみだ船」(北島三郎)、
「一週間に十日来い」(五月みどり)
「下町の太陽」(倍賞千恵子)

といったところ。
ユニークな曲目が目白押しである。

おっと、昭和33年の映画「有楽町で逢いましょう」であった。
眠い目をこすりながら画面に集中すると、
さっそく登場したのがフランク永井。
そしていきなりあの低音で同名曲をを歌い始めた。

歌い終わったらそのままフェイド・アウトして
あとはいっさい出てこない。
なんだか唐突なスタートで
観る者は意表を衝かれた格好である。

=つづく=