2014年8月15日金曜日

第904話 串から串へと (その2)

荻窪の「川勢」。
焼き場(火葬場を喚起させるイヤな言葉だけど)の前で
汗をかきかき飲んでいる。

うなぎはうなぎでもうな重を供する店とは違い、
こちらは串焼きをウリにしている。
言わば焼き鳥や焼きとんのうなぎ版だ。
数ヶ月前に紹介した中野の「川二郎」同様、
アラカルトで数本というわけにはいかず、
一応、6本セットを注文するのが客の習わしとなっている。

郷に入れば郷に従え、ローマではローマ人の行いに倣え、
なのである。
よってご多分にもれず、セットをお願いした。
近頃、とみにその苦さが気になりだした、
キリンのクラシックラガーを飲みながら焼き上がりを待つ。

突き出しはしその実を散らしたキャベツの浅漬け。
これは「川二郎」とまったく一緒。
「川勢」の店主は「川二郎」で修業したというから
さもありなん。
串揚げ屋の定番の生キャベツ&味噌より、
ずっと気が利いているし、スマートでもある。

最初の3本が皿に並べられた。
肝・エリ・バラである。
肝というのは通常、肝臓のことだからレバーだ。
しかし、うな串店では
1尾から1つしか取れない貴重な純レバは常連客に回される。
よってフツーの客には
腸管や心臓や胃袋などの総合内臓が出される。
もちろん、純レバにありつければ、僥倖として悦ばしいが
J.C.はむしろいろいろくっついてるほうが好きかも知れない。

エリは背ビレや尾ビレのニラ巻き。
ニラの個性が川魚のクセを緩和してグッド・コンビネーション。
バラは中骨周りの脂が乗った部位で
朝鮮焼肉のカルビみたいなもんですな。

前半の3本はそれぞれに美味しかった。
今のところ、本家の「川二郎」より一段上である。
料理人の目利きやセンスが一枚上なのだろう。

後半の3本は短冊・くりから・八幡巻きだ。
短冊は蒲焼きの小片。
くりからは小ぶりのうなぎの尻尾に近い部分を
串にクネクネと巻きつけてある。
八幡巻きは正肉でゴボウを巻いたもの。
もいちょい内臓を食べたかったが満足度は高いものがあった。

=つづく=