2020年11月17日火曜日

第2526話 連日のW小瓶ランチ

偶然とは重なるもので先日は、ふなよそおいと艦艇装備。

今度はめったに注文しないビールの小瓶を二日連続2本づつ。

前日は千代田区・水道橋の中華そは屋で長居は無用と

気を遣ったものの、やはり収まりがつかずにもう1本。

 

この日は練馬区・江古田の洋食店だった。

大衆酒場「和田屋」も「お志ど里」も閉業した江古田にもはや

用はないと長く放置したので久々に様子を見に行った。

昼間では実感がわかないが、あの2軒が店をたたんだとあれば、

夜の寂しさもひとしおだろう。

 

ひとしきりさまよい歩いて昼めし。

別段、食事処のアテとてなく、

出たとこ勝負で駅南側を新江古田まで流す。

収穫は得られず、きびすを返して今度は駅北側を新桜台へ。

 

遭遇したのが「キッチン・オバサン」。

ヘンテコな店名の洋食屋はロンドンのフラット、

ニューヨークのアパートメントにありがちな、

ビルの半地下にあった。

 

ビールは中瓶が苦手な銘柄だったが小瓶は好み。

これが小瓶2本の理由である。

選択肢は限られるものの、単品のつまみもあった。

うれしいことにミニサイズの料理がいくつか。

吟味の末、ミニチキンドリアと

かきフライ1個、いわしフライ1枚を通した。

 

あらためて店内を俯瞰する。

ハハ~ッ、なるほど、なるほど、

キッチンのシェフがオバさん、アシスタントはオネバさん、

フロアがオネエさん、女性トリオだけで男っ気まったくナシ。

 

サービスのオネエさんがやさしい。

言葉遣いていねいにして物腰も柔らか。

まさに理想的な接客でウエイトレスはかくあられたし。

 

もちろんドリアを食べたことはあるが

あくまでもシェアで自分からオーダーするのは初めて。

つけ麺、油そば同様に生涯無縁と決めつけていたドリア。

ミニサイズがあってくれたからこその注文だ。

グラタンの下にはチキンライスが潜んでいた。

 

粗いパン粉のフライも水準をクリア。

タルタルソースは添えられているが繊切りキャベツがないので

セット用サラダ(60円)というのを代わりに―。

キャベツ・きゅうり・大根に和風ドレッシングがかかっていた。

 

ランチタイムは14時で終了。

2本目を飲み干したときは5分過ぎていた。

恐縮しながらの会計は1970円也。

三つの笑顔に送られて店を出る。

完熟・半熟・未熟の玉子ならぬ、

女子(おなご)トリオは揃いも揃って愛想よしなのでした。

ごちそうさま。

 

「キッチン・オバサン」

 東京都練馬区栄町17-3 B1

 03-5999-8432