2020年11月24日火曜日

第2531話 マスクをつけた栃錦

のみとも・Fチャンとほぼ1年ぶりの酌交。

落ち合ったのはJR 総武線・小岩駅改札口。

昭和の名横綱・栃錦のブロンズ像前だ。

おやおや、小岩の生んだ英雄もマスクをつけてるヨ。

 

1軒目はガード下の大箱居酒屋「けやき」。

一見、チェーン店のようだが魚介がウリの老舗だ。

ドライの中ジョッキをカツンと合わせた。

お通しは切干し大根。

 

関サバに勝るとも劣らない伊那サバがあった。

長崎県・対馬の伊那港に揚がる一本釣り限定のサバは

生or 〆が択べるとのことで、ここは貴重な刺身を―。

硬直を残すコリコリの身肉は旨みじゅうぶん。

 

芋焼酎・蔵の師魂のロックに切り替え、

貝刺し盛合せ(アオヤギ・ツブ・ホッキ)と

カサゴの油淋鶏(ユーリンチー)風を追加する。

 

貝類はいずれも鮮度が高い。

小ぶりなカサゴはタレを掛け回した丸揚げ。

香菜が主張して油淋鶏より清蒸(チンチェン)に近いかな。

ロックのお替わりを飲み干し、会計は二人で7千円也。

いつもはハシゴにハシゴを重ねる二人ながら

今夜は2軒で切り上げる合意を交している。

 

北口仲通りの「豚小家」へ。

大衆酒場の宝庫・小岩にあって此処は絶大な人気を誇る。

時期が時期だけに予約困難ではないけれど、

一応、空席確認の電話は入れた。

 

二度目の乾杯は酎ハイで―。

シロップを使わない飲み口はいたってシンプル。

突き出しはラーメン店でもないのに味付け玉子が出てきた。

愚にもつかないのを平気で出す愚店が多いなか、

味玉はマッチ・ベターである。

 

兼八のロックに移行した。

はだか麦焼酎の香ばしさが格別なり。

モツ刺し(生ではなく茹で)を好まぬわれわれは

当店の名物をスルーして焼きとんを所望。

カシラとハラミを塩、レバとキクアブラをタレ、

4種2本づつ焼いてもらう。

 

それなりに味わいはあるものの

期待が大きかったせいか肩透かしを食らった気分。

まっ、今宵はこれで切り上げるとしよう。

 

不完全燃焼を引きずりながらオッサン二人、小岩駅へトボトボ。

マスク姿の栃錦像に見送られて改札を抜ける。

このときハタと思い当たった。

そうだ、肩透かしは栃錦の得意技じゃないか!

帰宅後、調べてみたら14回も決めてましたとサ。

やれやれ。

 

「けやき」

東京都江戸川区南小岩8-15-3

 050-5595-1208

 

「豚小家」

 東京都江戸川区西小岩1-27-9

 03-5693-2532