2022年9月2日金曜日

第3094話 世界一美味しい そば屋カレー

以前、中居正広が自分の番組で
世界一美味しいそば屋のカレーと
紹介したカレーがあるという。
台東区・竜泉の「東嶋屋」のライスカレーだ。

浅草に出かけるときはバスを利用する。
池袋東口ー浅草寿町、日暮里ー錦糸町の2路線。
錦糸町行きは「東嶋屋」の脇を通ってゆくので
建物を何度も目撃している。

そば屋の中華そばは当たりが多いが
そば屋のカレーライスはまず当たりを引かない。
とにかくものは試し、行ってみた。

右手にカウンターが6席ほど。
奥に四人掛けが4卓だったかな? TVもあった。
カウンターに落ち着き、ドライの中瓶を通して
壁の品書きに目を通す。
あった、あった、ありました。

当店名物「ライスカレー」
”黄色い塩カレー”
東嶋屋でしか味わえない人気メニューです

作り置きではなく、注文が入ってから
ひと皿づつ作るので混雑時には
お待ちいただく旨の一筆もあった。

店主だろうか? 接客は年配のオヤジさん。
娘さんだろうか? 厨房にオネバさん。
今日はカツカレーに挑むつもりで家を出た。
オヤジさんにカツカレーのカレーも
黄色い塩カレーであることを確かめて発注。

やはり少々時間がかかるようで
瓶がカラになり、もう1本。
品書きを眺めて目にとまったのは2品。
たぬきせいろってのは珍しいネ。
揚げ玉入りのつけづゆなんだろうな。

から揚げは創業130年以来の「かえし」を
もみ込んで揚げるという。
ここで初めて当店が
かくも長き営みを続けてきたことを知る。

配膳されたお盆にはウスターソースと
お冷やに落とし込まれたスプーン。
大皿には黄色いライスカレーが並々。
その上に4切れのロースカツ。
脇には真っ赤な福神漬け。
ふむ、ふむ、なるほど塩っ気が強い。
厚みのあるカツはなかなか上等だ。

砂糖は熱を加えると甘みが増す。
塩はその逆で冷めたほうが塩辛い。
よって終盤は次第にしょっぱくなる。
加えてルウの小麦粉が
温度の低下とともに粘っこくなってきた。

奮闘努力の末、完食して腹いっぱい。
そば屋のカレーとして水準を超えているものの、
世界一美味しいとまでは・・・とても思えません。

「東嶋屋」
 東京都台東区竜泉1-29-3
 03-3872-6361