2022年9月26日月曜日

第3110話 満開のマリア・カラス (その1)

「マリア・カラス 伝説のオペラ座ライブ」
(LA GRANDE NUIT DE L'OPERA)
を観るため、練馬文化センターへ。

この春、銀座で喜歌劇「こうもり」の映画版を
ご一緒したS田サンを誘った。
のみとも・たべとも・うたとも・あるきとも、
友はいろいろいるけれど、
彼女はさしづめオペともということになる。

待ち合わせまで時間があるため、
軽く腹ごしらえ、というかガス注入をしておかねば。
1933年創業の「デンマークベーカリー」に向かう。
ここは有名パン店「アンデルセン」より古いネ。

1Fでオニオンベーコンロールをトレイに乗せ、
2Fのカフェに上がった。
ビールを飲めることは調査済み。
ところがエビスとバドワイザーと来たもんだ。
日米のそれぞれ最も苦手な銘柄である。

仕方なく半世紀ぶりのバド、
すると明らかに味わいが変わっていた。
独特の香料のようなクセが消えてさわやか。
これならスッキリ飲めるわい。

引っかかったのは12角形のタンブラーだ。
Asahiのロゴが入ってやんの。
何てこっちゃい! グラスだけもらっといて
そのメーカーを置かないのは仁義に反するぜ。

練馬駅改札で落ち合い、駅前の文化センターへ。
実はこのライブ版。
NY時代にビデオを持っていた。
したがってすでに何度も観ているのだ。

それが10年ほど前、一大決意のもとに
ビデオをすべて破棄した。
200本はあったんじゃないかな?
48作ある寅さんシリーズだけでも
そのうち30本はあったからネ。

実はこの決断、七代目・立川談志の影響である。
同じ町内の住人だった彼が亡くなる前、
医者通いする姿を近所でよく見かけた
自分の死期を察知したのか
ビデオ・コレクションをすべて廃棄したとのこと。

談志だけに断捨離はお手のものとみえる。
さすればJ.C.、
西施の顰(ひそ)みに倣(なら)うつもりで
談志の断捨離に倣ったのであった。

=つづく=

「デンマークベーカリー練馬店」
 東京都練馬区練馬1-5-7
 03-3994-3741