2022年10月4日火曜日

第3116話 さまよえる世田谷・渋谷 (その1)

この日は朝からTVの天気予報が
絶好の散歩日和を連発してかしましい。
判りやしたヨ、行きゃいいんでしョ、行きゃ!

降り立ったのははるか遠く,
世田谷区の西の果て喜多見。
プラットフォームは
隣りの狛江市にもかぶさっている。

ちなみに23区の最西端は練馬区・武蔵関。
TVにしょっちゅう登場する、
あのスーパーがあるところだ。

駅前商店街の日本そば「丸屋」に着いたのは正午。
店先のリストに記名して待つように告げられた。
人気なんだなァ、いや、マイッたな。
ところが3分待ちでご案内~!
一番奥、壁際の二人掛けに導かれた。

黒ラベルの中瓶でノドを歓ばせながら
多彩な品書きを念入りにチェック。
白羽の矢を海鮮天ざるに立てた。
接客のアンちゃんに海苔抜きでお願いすると
「ハイ、海鮮天もりですネ?」

16人の先客は誰一人として飲んでいない。
まっ、平日のランチタイムなら当たり前か。
天もりは1215分に着卓。
中太に見えたそばは細いのも混じり、
不揃いのおそばたち、ならせば普通だ。
薬味はさらしねぎ・おろし・粉わさび。

豪華な海鮮天ぷらの陣容は
鱧(はも)2切れ、穴子1片、海老・キス各1尾に
野菜が茄子・さつま芋・ピーマン。
おろし・天つゆ・粗塩が添えられる。

そばつゆにきちんと甘みがあり、うれしい。
コシの強いそばは終盤にモッチリ感が際立つ。
食べ応えじゅうぶんの昼餉となり、支払いは2410円。

小田急線の北と南に拡がる喜多見商店街を行き来する。
「丸屋」近くのスーパー「タグチ」に入ってみた。
全日食チェーンの加盟店だ。
豊富な鮮魚売り場の品揃えに驚く。

カイワリ、テングダイ、メダイ、レンコダイ、
イトフエフキ、コチ、ホウボウ、ソウハチガレイ。
御徒町の「吉池」も真っ青だ。

ただし、この日はおろしてくれない。
担当者不在のためだとサ。
名魚揃いだがフツーの主婦にはまずムリだろう。
これを宝の持ち腐れという。

=つづく=

「丸屋」
 東京都世田谷区喜多見8-16-8
 03-3416-5765