2022年10月27日木曜日

第3133話 おでんと楽しむ うまソーダ

生モノをぶら下げてることだし、
何処ぞで軽く飲って早めに帰ろう。
東上線で池袋に戻るのも何だしなァ・・・。
駅前発のバスは王子行きのみ。
乗るしかないネ。

揺られながら思いをめぐらせる。
アイデアは二通り。
大和町で降りて旧中山道の仲宿辺り。
終点の王子まで完走。
結局、時間つぶしの意味合いもあって
終点の五つ手前、北区神谷町で降りた。

この春、来たときに忽然と姿を消していた、
王子のランドマーク「山田屋」の様子を見に行く。
再建とのことだったが骨組みくらい出来たかな?
あいや、まったくの手つかずじゃないかー。

近くの「宝泉」に5年ぶりで出向くと完全に満席。
17時開店の17時20分じゃ、空きそうもないや。
それではと、これも近くの「一福」へ10年ぶりでー。
カウンターに先客一人、余裕で止まり木に止まった。
切盛りは女将さん独り、以前の店主が見えない。

ドライの大瓶とレバーをタレで2本。
此処の焼きとんは2本しばりだから
単身客はあれこれ手を出せない。
ちょいと焼き過ぎで口中モゴモゴしたが
年期の入ったタレは秀の逸。
一朝一夕には出せない奥行きの深さがあった。

壁の貼り紙に”うまソーダ”あり。
スコッチのホワイトホースのハイボールで
白馬のソーダ割りだから”うまソーダ”。
あまりウイスキーを飲まないけど、お願いする。
ホワイトホースは44年ぶりだ。

あれは1978年夏の岐阜県・高山。
ホテルの名前は忘れたが階上のバーラウンジで
ホワイトホースのプレミアム・ヴァージョン、
ローガンのロックを飲んだ記憶がある。
想い出をたぐり寄せながら飲む酒は胸に沁み入る。

つまみの追加。
金目鯛の煮付けもあったが
どんなのが出て来るのか想像及ばず、
無難に目の前で煮えているおでんをー。

好物のツミレなく、スジも不在。
ちなみにJ.C.の好みは牛スジではなく、
サカナの練り物のほうである。

無いものねだりはよくない。
ハンペンとゴボ巻きを所望し、
お替りした”うまソーダ”と楽しむ。
お勘定は2千円とちょっと。

王子でJR京浜東北線に乗り、日暮里下車。
すっかり日の暮れた里のランドマーク、
夕焼けだんだんを下ってゆきました。

「一福」
 東京都北区王子1-15-4
 03-3911-9217