2022年10月11日火曜日

第3121話 「すみません」と「ありがとう」(その2)

池之端(最寄りは根津駅)のそば店のつづき。
当店の接客担当は
バイトの女の子一人と
店主の調理を補佐しながら
彼女のアシストもこなす女将さん。

ちょいと店内の実況中継をしてみましょう。
「もつ煮込み、お待たせしました」と女の子。
「ハイ、ありがとう」とJ.C.。

「たぬきそば、お待ちどうさま」と女将さん。
「あっ、すみません」とJ.C.。
早い話が女将さんに向かって
「ありがとう」とは言えないんだ。
これは差別じゃなくて区別ですネ。

女将さんへの「すみません」は
もちろん Thank you の意。
ビールのグラスを
ひっくり返したときの「すみません」は Sorry 。
「そば湯お持ちしましょうか?」
対しての「すみません」は Please だ。
「すみません」はとてつもなくく便利。

英会話における3つの重要語に続く、
4番目は何でしょう?
ここは Excuse me でキマリ。
「すみません」はこれすらもカバーする。

電車に乗ってて降車駅に着いたのに
前がふさがれているときの声掛けは
東京 metro なら「すみません」。
ロンドンの tube や NY の subway は
「Excuse me」となりましょう。
ちなみに可愛いツレがいる場合は
「Excuse us」がよりスマートです。
(ちょいとキザだけど)

誰に対しても使える「すみません」。
目上、年上の人には使いづらい「ありがとう」。
後者が前者に取って変わるのは
どう考えても不可能。
「ありがとう」にこの役目は荷が重すぎるのだ。

相川教授はともかくも
このことに集団で思いが至らなかった、
朝日新聞記者サロンの方々、
一度立ち止まり、深く掘り下げて欲しかった。
さもないと、”浅日新聞”になっちゃいますヨ。

最後に教授へのお詫び。
せっかく提唱していただいたのに
話の腰を折ってしまい、
どうも、すみませんでした。