2024年2月15日木曜日

第3472話 黄昏の店で 舌が震えた (その1)

定期健診で日医大付属病院へ。
先日、病院に伴った近所の友人・Y本サンが
もう一度連れてってと言うから承諾した。

検診後はまた昼めし。
10分ほど歩き、白山上に来た。
以前利用し、当欄でも紹介した「松下」で
ぜいたく丼のつもりが準備中の札。
時刻はちょうど14時半で
たった今、閉めたに相違ない。

それではと数軒先の「戸隠そば 満寿美屋」へ。
9年前に1度だけ利用し、
そのときの印象はフツーだった。
ドライの中瓶をもらい、何かつまみを。
おっ? 野沢菜があるじゃないかー。
J.C.にとってふるさとの味はコレである。

子どもの頃、季節になるとわが家の裏庭に
近所のオバさん連中が集まり、
野沢菜の樽漬けが始まる。
「今日は岡澤さんちだから明後日は宮澤さんネ」
「北澤さんとこは来週の初めでどうかしら?」
口々にそんな会話が交わされるのだった。

「満寿美屋」の野沢菜を一つまみすると
懐かしさが舌の上に拡がった。
そうだ、そうだヨ、この味、この味。
久しぶりに本物の野沢菜に出逢えた。
竹内まりやも歌い出す。

♪ 食べ覚えのある 野沢菜漬け
  黄昏の店で 舌が震えた
  軽い歯ざわり まぎれもなく
  昔愛してた あの味なのね ♪
   (作詞:竹内まりや)

「駅」は1987年のリリース。
しかし、この前年、
中森明菜のアルバムに収録されたのが初出。
そう、まりやが明菜のために
書き下ろした楽曲なのだ。

どこまでホントか知らんけど、
明菜の歌唱がまりやの夫の山下達郎を
とてつもなく怒らせた。
歌い方が悲しすぎるというのがその理由。

だけどサ、明菜が勝手に
レコーディングしたのかな?
少なくともまりやは知っていたハズ。
自分の女房が作った曲だからって
亭主が出て来て吠えまくるなんざ愚の骨頂。
オメエは年に1度、クリスマスんときに
しゃしゃり出てくりゃ、それでじゅうぶん。

あの頃は明菜にとって
人生で一番ツラく哀しい時期だった。
代表曲「難破船」にもそれは如実に現れている。
自ら命を絶とうとした女の気持ちを
少しは判ってやって欲しいもんだヨ。

=つづく=