2024年2月19日月曜日

第3474話 小上りで 酒酌み交わす 春の宵

1980年2月、J.C.は金融界に身を投じた。
英系マネー・ブローカー、
アストリー&ピアスの門を叩いたのだ。
そのときの同僚、モグからメール来信。
久しぶりに飲むことになった。
彼とは4年半ぶりである。

日本そばの名店「室町砂場」の唯一の支店、
「室町砂場 赤坂店」で落ち合う。
最近は早めの仕掛けが多く、
今月に入ってO橋、N田、モグと
男とのサシ飲みは三者連続。
すべて15時スタートにした。

アイドルタイムにつき、店内はガラガラ。
奥の小上りにカップルが1組のみである。
われわれも手前の椅子とテーブルを尻目に
上がり込んだのだった。

此処のビールの取り揃えは
(大)がキリンラガー。
(小)はサッポロ黒ラベル。
ちょいと理解に苦しむコンビだ。
室町は日本橋という各種企業が混在する
ロケーションからほぼすべての銘柄が揃う。

ラガーを注ぎ合ってグラスを合わせた。
お通しは「砂場」の定番、あさり煮。
これだけでは足りないので
アラカルトのあさり煮を追加。
あとは玉子焼きと焼き鳥はタレでー。

話題は "昔" に集中する。
オフィスのスタッフの面々や
所在地、神谷町界隈の店々だ。
そういえば、J.C.のNY赴任中、
モグはロンドンに居て
お互い出張で行き来したものだった。

菊正の冷たいのに切り替えた。
飲むほどに酔うほどに会話は熱さを増してくる。
徳利を何本空けただろうか?
おそらく6~7本だったと思う。

締めにはもりとざるを各々1枚づつ。
両者の違いは海苔のアルナシではなく、
もりは他店でいうところの二八そば。
ざるは更科である。
どちらも旨いがJ.C.はざるに軍配を挙げる。

さて、そろそろ河岸を変えよう。
溜池→虎ノ門→新橋を経て銀座まで歩く。
かつて何度かおジャマした「G.G」へと
石段を降りてゆく春の宵でありました。

「室町砂場 赤坂店」
 東京都港区赤坂6-3-5
 03-3583-7670