2024年2月28日水曜日

第3481話 このたびは 観音裏で 6人会 (その1)

ふた月に一ぺんのペースで
定期的に開催している6人会。
此度の舞台は浅草観音裏。
云わずと知れた「ニュー王将」である。

以前はしょっちゅう顔を出していたのに
しばらくご無沙汰した。
それが昨秋、復帰して早くも三度目になる。

と、その前に1人0次会と行こう。
かんのん通りの「ニュー浅草 本店」は丸十年ぶり。
暖簾をくぐって目の前のオネバさんに
「2階に上がっていい?」ー 訊ねたら彼女、
 つれなく首を横に振った。
「ダメなの? 」ー口を尖らせると
「ダメですっ!」ーキッパリとダメ出し。
「 ハッキリ言うネ」ー今度は縦に振りやがった。 

2階はヤケに騒がしい。
若い娘たちの嬌声が降ってくる。
1階の変則的なカタチの相席用テーブルに着き、
黒ラベルの大瓶を通した。

同じ並びの名酒場「志ぶや」はキリンだが
「ニュー浅草」はサッポロ一色。
アサヒの本拠地で商売しながら
2店ともチャレンジ精神が旺盛だ。

あらかじめつまみは霜降り馬刺しと決めていたが
一応、刺身のラインナップを見上げた。
マグロ・カンパチ・真鯛・海老・ブリ・
サーモン・イカ・ホタテ・カジキ
ほかに、〆サバ・タコブツ
あとは、くじら刺し・霜降り馬刺し

刺身の最高値はマグロ・カンパチ・カジキの750円。
哺乳類のくじらと馬刺しも同値だった。
馬刺しを思いとどまり、珍しいカジキに浮気した。  
8切れもあったカジキは白っぽい色合いから
メカジキであることが判る。
マカジキだとオレンジがかった赤みを帯びる。

信州の辛口酒、信濃光の熱燗に移行。
本当に辛いや。
壁の品書きに甘鯛の板わさ(540円)を見つけ即注。
こちらは5切れで来た。
フツーのカマボコとそんなに変わらない。
気泡が散見されて不味くはないけど、
ちと期待外れの感否めず。 

ところが冷たかったカマボコ。
常温に戻ると、ほのかな甘みが感じられ、
さすが甘鯛、美味しくなった。

「ニュー浅草」を出て
「ニュー王将」に向かいながら思った。
「ニュー」から「ニュー」へとハシゴ酒。
ニューヨーク帰りにはまことに相応しい。

「ニュー浅草 本店」
 東京都台東区浅草1-35-3
 03-3841-1272