2024年2月27日火曜日

第3480話 カマスの刺身にゲンゲは丸ごと

てなこって「人形町藪そば」と
「神谷バー」をハシゴしたのだが
帰宅の前に立ち寄った場所があった。
浅草・松屋デパートの鮮魚売り場である。

何かいいモノないかなァ?
都内有数の高級魚を扱う「丸赤」に
肉じゃががあったのには驚いた。
当店が肉モノを扱うのを初めて目にした。
みなさん苦労してるんだねェ。

その隣り、鮮魚のメイン売り場は
「山助」が担当していた。
川崎市宮前区に本社を構え、
神奈川県中心に活躍している。

此処で再び驚いた。
カマスの刺身が売られてるじゃないかー。
めったにお目にかかることはない。
おっと! ゲンゲ(幻魚)のデカいのが
何尾も並んでいるヨ。
カマスは千葉、ゲンゲは岩手の産である。

こういう珍魚たちに出逢うと
もう嬉しくて買わずにはいられない。
胸騒ぎまでしてくるんだ。
ほうら、桑田の圭チャンが歌い出したぜ。

♪ 心なしか今夜 並の音がしたわ
  男心誘う 胸さわぎの腰つき ♪

サザンのデビュー曲「勝手にシンドバッド」は
1978年6月のリリース、衝撃的だった。
数多ある彼らの楽曲中、
永遠のマイベストである。

カマスの刺身は超珍しく、尚且つ超美味。
水分を多く含むサカナでありながら
水っぽさを感じさせない。
デリケートな旨みにあふれていた。

薄造りとまではいかないが
かなり薄めにスライスされており、
薄紅色の血合いに
絣模様の皮目のコントラストが美しい。
こうなると、もはや芸術品であります。

一方のゲンゲは北の海に広く分布する深海魚。
ゼラチン質のブヨブヨしたサカナで
海のツチノコみたい。
富山湾の特産とされるが、今日のは岩手だ。

500グラムはあろうかという魚体を
丸ごとブツ切りにしてもらい、
ちり鍋にして楽しんだ。
頭のてっぺんから尾の先まで捨てるところナシ。
食べ切れないので上身を3切れほど煮付けにー。

日本人に生まれてよかった。
つくづくそう思ったことでした。