2025年8月25日月曜日

第3869話 大逆転のルバーブサワー

文京区・根津の「焼鳥鳥兆」。
6年も根津に棲んだから
当然、存在は認知していたが
単なる町の焼き鳥屋だろうと
上から目線で眺めていたため、
完全にノーマークだった。

それがこのたび、情報が入る。
何でも根津の町で
一、二を争う佳店だという。
これはいかにゃならん。
そばとも・Mきと出向いた。

ビールは一番搾りの生だけで
中ジョッキをガッツン。
泡の多い方を飲ませたせいか、
彼女の鼻の下には
白いチョビ髭が生えた。

イの一番に通したのは
活〆ニザダイごまだれ和え。
食べてみたかったニザダイに
初めて遭遇した。
サンノジの別称を持ち、
見た目も味も石鯛や
石垣鯛に似た上品な白身だ。

相方は水なすにご満悦。
小いわし唐揚げも
気に入りの様子だが
J.C.はちょいと不満。
小いわしを超えて中羽に近い。
広島で食べた瀬戸内ものは
中骨も気にならなかった。

「焼鳥鳥兆」だから
モモ・ハツ・レバーを
1本づつ焼いてもらい、
シェアしてみると、ごくフツー。
特筆する点はまったく無かった。

福島県・矢吹町の銘酒、
自然郷のぬる燗で
本日二度目の乾杯。
そろそろ締めをと合議の結果、
ハーフがあったので
海鮮太巻きをお願い。

するとコイツはとんだ大外れ。
白身・サーモン・赤身が
これでもかと入って
酢めしはホンのチョッピリ。
J.C.が最も嫌うタイプで
Mきも眉を顰(ひそ)めている。
酢めしだけを追注しながら
サカナは半分残した。

当店の評価は残念ながら
ここでガクンと急降下。
口直し代わりに
ルバーブジャムサワーを。

すると予期せぬ大当たり。
スッキリした甘みが心地よく、
ルバーブってこんなに
美味かったのかと驚かされた。
脇役の放った、
大逆転サヨナラホームランに
翔平も真っ青でありましょう。

「焼鳥鳥兆」
 東京都文京区根津2-20-1
 03-5814-1372