いろいろ調べ物をしていて
ユニークな名前の店に遭遇した。
メトロ丸の内・盲腸線終点、
方南町の「スプートニク」だ。
スウェーデンのエレキバンド、
スプートニクスが第一感。
ヒット曲「霧のカレリア」は
1965年のリリースである。
元はロシアの歌曲、
「御者よ、馬を急かすな」だが
インタールードの「トロイカ」は
原曲になく、この挿入こそが
ヒットの源泉ともいえる。
多くのバンドがカバーする中、
You Tubeで歌唱を聴くことが
できるのは今のところ、
ザ・ピーナッツ盤のみ。
哀愁のハーモニーを
聴いてみて下され。
それはそれとして
ヤケに狭い間口の急な階段を
注意を払いつつ上った。
窓際の二人掛けに促され、
ハートランドの小瓶を飲む。
ランチタイムはほぼ二択で
豚角煮カレー or キッシュ。
あとはスプートニク・グルマン、
いわゆる両者の盛合わせと
豚肉のプティ・サレだけだ。
ハナから決めていたカレーは
なかなかオサレに運ばれた。
円形ライスのふもとに
ヒタヒタの黒いソース。
大きめな豚バラ角煮が
存在感を発揮している。
キャロット・ラペ風と
ターメリック・キャベツ。
ライスのてっぺんには
蓮根チップスが1枚鎮座する。
ほのかにカレーを感じるが
ハヤシと言われても納得。
角煮もソースも味わい深い。
小瓶2本で会計は2510円。
店主に訊ねた。
「店名はエレキバンドから?」
「いえ、村上春樹の小説です」
「『スプートニクの恋人』?」
「ハイ、借りちゃいました」
ロシア語で衛星や ”旅の友”を
意味するスプートニク。
54年前、モスクワの展示場で
同名のミサイルを見た記憶がある。
方南町に来るときはいつも
昼から飲める「やしろ食堂」。
最近、閉業の噂を聞き、
確かめたらホントに閉じていた。
杉並区の東のはずれ、
方南町に来る機会はガクンと
減ることになるでしょう。
「ラウンジ スプートニク」
東京都杉並区方南2-12-19
セイワビル2F
03-5929-9899